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投稿:2015年11月15日更新:2022年12月26日

コラム - 岩井淳一

【コラム.25】救急車の利用について(医師・岩井淳一)

初めまして。今春に石川県からいわき市に移り、山内クリニック勤務となった岩井淳一と申します。石川県では救命救急センターで勤務しており、現在も総合いわき共立病院救命センターに非常勤として勤務させてもらっています。そこで、救急についてのお話を少しさせていただきたいと思います。

救急車の適正利用については全国的にも大きな問題になっており、ニュースや新聞でも目にすることは多いと思います。実際に救急車で搬送される傷病者の約半数は軽症で、入院の必要はないという統計もあります。いわき市においては、本来は3次救命センターとして重症患者の受け入れをするべき共立病院に、受け入れ先の見つからない軽症〜中等症の救急車が次々と搬送されている印象です。いわき市では人口が増加する一方で病院勤務医は減少し、人口10万人に対し約90人(全国平均は140人)とのことです。しかし、救急搬送数は年々増加しており、病院勤務医に大きな負担がかかり、かなり厳しい勤務環境に置かれています。症状や状態に応じた治療を受けることが大切ですが、救急病院にかかる患者さんの数が増えると、本当に緊急性のある患者さんが必要な治療を受けられなくなることがあるかもしれません。日中から症状のある方や、応急手当で様子を見られるような症状の場合は、なるべく通常の診療時間帯にかかりつけ医などの医療機関をご利用くださる様、よろしくお願いします。

岩井 淳一

※この記事は、朝日サリー(2015年11月号)「ハートでクリニック」に掲載されました