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2020年09月07日

食育・口腔ケア 食べることは生きること・市川文裕氏伝記

850. 食べることは生きること・「食介護」を生んだ市川文裕氏伝記⑨~管理栄養士に聞く

歯科医師・市川文裕氏(享年56)=いわき市=が発足させた「いわき食介護研究会」で管理栄養士の立場から活躍していたのが永山経子氏(76)=東京都。お年寄りを近くで支える訪問介護の職員に介護食の調理方法を指導することで、いわき全体の「食」の支援力向上に努めていた。永山氏から当時の話をうかがい、末尾で写真とともに振り返る。(事業推進室・西山将弘)

 

※永山経子(ながやま・のりこ)氏プロフィール:1944年生まれ。管理栄養士。1980(昭和五十五)~2015(平成二十七)年の35年間、いわき市で生活。現在は東京都在住で、2017年から健康料理グループ「中央ヘルシー研究会」(東京都中央区)の講師を担当している。

 

↑訪問介護員においしい介護食の調理法を指導する永山氏(右)=いわき市・2009年 (医師・皆川夏樹氏の提供写真)

 

市川氏との出会いは?

市川先生と出会ったのは、介護保険制度についていわき市の栄養士たちがどう対処していけばよいか悩んでいたころでした。初めて出会ったのは「いわき集団給食研究会」という歴史ある栄養士の勉強会に市川先生を講師として招こうと、診療所に会長とうかがった時だったと思います。優しく理解ある先生でした。

 

いわき食介護研究会の発足当初、管理栄養士の視点から「食介護」をどのように考えていましたか?

介護保険制度ができることで、各病院・施設の管理栄養士・栄養士は漠然としていたと思います。学びの場が必要でした。市川先生は「食べることを担う栄養士の存在は歯科(口腔ケア)とともに最も重要なことだ」と、管理栄養士・栄養士の役割の大切さを説かれていましたね。市川先生がつくった「食介護マニュアル」は知識の詰まった具体的な分かりやすい専門書で、多くの管理栄養士・栄養士は心から感謝しています。

 

研究会では訪問介護員を対象にした介護食の調理指導をされたり、介護食のレシピを提案されていたようですね。

市川先生は「食」に関し「ヘルパーの指導は重要」と言われました。私は講義や実習で長年指導に携わらせていただきましたが、いわき市にある多くの事業所の中でも、市川先生にご紹介されて指導にうかがった介護事業所は「食」の大切さを理解されていましたね。食介護研究会でも指導させていただき、多くの事業所のヘルパーも実習ができるようになって勉強になったと思いますよ。

 

―東京でも「食介護」に関する活動をされていますか?

「中央ヘルシー研究会」では「口腔ケア」のことも講話していました。現在は新型コロナウイルスの感染拡大防止のために休会しています。

 

現在の食介護の課題はありますか?

市川先生のようなリーダーがいてほしいです。

 

―「食介護」を広めるため、管理栄養士・栄養士にメッセージをお願いいたします。

私は1997年に発足した「日本在宅栄養管理学会」(当時の名称は「全国訪問栄養食事指導研究会」)で学んだことが食介護の基礎になっています。市川先生は会長の田中弥生先生を「食介護研究会」の講師に招いたこともありました。管理栄養士・栄養士は、在宅や高齢者の栄養に取り組むこの学会に入会されて多くの事を学んでほしいです。

 

【永山氏の写真で振り返る】

<「いわき食介護研究会」の介護食セミナー(いわき市中央台公民館・2005年4月16日)>

訪問介護員に食の介護支援を学んでほしいと初めて企画されたセミナー。約30人が参加し、市川氏と医師の皆川夏樹氏、永山氏が講師を担当した。

↑訪問介護員に簡単に作れる介護食の調理実習を指導する永山氏(左)

↑一般向けの「常食」(中央)、歯の欠損や口腔トラブル向けの「軟食」(手前)、飲み込み困難者向けの「ペースト食」を料理。市川氏の妻が調理したシチューを使用し、参加者が料理した

↑「人生の最後までおいしく食べてほしい」という市川氏の願いに応え、味、見栄え、栄養もこだわったペースト食のシチュー

 

<介護食コンテスト(いわき市のホテルハワイアンズ・2000年8月30日)>

市川氏がハワイアンズのコック長に「(社)全日本司厨士協会福島県いわき支部主催フードフェスタ2000」に「いわき食介護研究会」も参加させてほしいと依頼して実現。司厨士協会のメンバーらが審査員を担当。介護食のレベル向上のため料理を競った。

↑介護食「ホップ・ステップ・パンプキン」(左写真)を出品して「いわき市長賞」を受賞した永山氏(右写真)。調理方法、材料は「いわき食介護研究会」ホームページで確認できる(http://e-taberu.com/syokukaigo/syokuj/syokuji_2.html)

 

<いわき歯科医師会主催の市民フォーラム(2001年10月13日)>

↑パネラーとして参加した永山氏(左写真)。歯科医師ほか、様々な職種の方が出席した。市川氏(右写真)と記念写真を撮る永山氏

 

<その他>

↑要介護者が一生、口からおいしく食べられるよう、ペースト食も軟食も見栄えよく調理

 

【食べることは生きること・市川氏伝記バックナンバー】

https://iwakikai.jp/blog/?c=%e9%a3%9f%e3%81%b9%e3%82%8b%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%af%e7%94%9f%e3%81%8d%e3%82%8b%e3%81%93%e3%81%a8%e3%83%bb%e5%b8%82%e5%b7%9d%e6%96%87%e8%a3%95%e6%b0%8f%e4%bc%9d%e8%a8%98