いわき市平地区の医療・福祉の関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほど、オンラインで開かれました。「コロナ禍の対応」をテーマに、医療・介護の各職種から予防策や近況を共有しました。
● コロナ禍でどうケアに当たっている?
オンラインでは7月に続いて2回目で、9月17日に開催。今回は主に平地区の医師、歯科医師、薬剤師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリ職、福祉用具業、市職員らが参加。出入り自由で最大28人が意見交換しました。事務局の平地域包括支援センター職員の司会で、参加者は聞き取りした同業者の状況も含め、各職種がコロナ禍でどのようにケアに当たっているかを発表。3密対策、マスク着用、手指消毒といった基本対応以外にも、気付きや連携ケアの提案の声も上がりました。
● 担当者会議 庭で開催したケースも
ケアマネジャーからは訪問の対応について、ご利用者様から訪問の許可がでない場合は電話し、訪問の場合は玄関で短時間で行っていたが、最近は家に入るよう声を掛けられるようになったという。担当者会議で出席者が大人数になった時は庭で開いたケースもあったと伝えられました。医師からは、医療者のコロナ感染防止からインフルエンザの検体採取が難しい現状が共有され、病院では安全に検査するための防護ブースを準備するか、インフルエンザ検査を行わないといった検討も行われているという。
● 地域に公衆衛生の指導も
薬剤師は訪問事情について、東京から家族が来ている家を訪ねる場合には郵便受けに薬を入れて電話対応したケースを共有。公衆衛生の指導にも取り組む事業所があり、うがい薬の副作用やアルコールの効果的な薄め方をチラシで配布したという。リハビリ職は「つどいの場」に講師依頼があれば指導に出向いているが、秋口にかけて講師派遣を断る事業所も一部出ているといい「ウェブ上でできる支援をする必要があるのではないか」と多職種連携を呼び掛けました。
● 高齢者調査では精神的な落ち込みが多い結果
市介護保険課で介護認定に携わる職員は、認定審査会の開催頻度が減っていると話し、市の高齢者対象のアンケート調査で精神的な落ち込みが多く聞かれたという。「まだまだ元気でもコロナ禍の生活によって要介護になる人が今後一気に増えるかもしれない。皆さんの知恵と専門性を生かし、多職種連携で新しい道を考えなければいけない」と呼び掛け。参加者からはそのほか、臨床の現場実習にくる学生の対応やオゾン発生機の紹介も。マスク着用でのかぶれ対策や、リハビリ時の具体的な感染予防策の質問も出ました。平在宅療養多職種連携の会の山内俊明会長(当法人医和生会理事長)は、インフルエンザとコロナの同時流行を警戒するとともに、今後も情報交換していくのを呼び掛けました。同会は毎月第3木曜の夜に開催しています。
【平在宅療養多職種連携の会】