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投稿:2020年12月04日更新:2021年05月11日

多職種連携・地域連携

884. コロナ禍でイベント どう開催している?・開催事例の紹介

新型コロナウイルス禍で今年、イベント中止が相次ぎました。安全を考慮して自粛した方がいいのかとためらう一方、催し物が減れば地域住民の交流機会や活気が失われます。外出機会が減れば、引きこもりやお年寄りの認知・身体機能の低下にもつながりかねません。それでも最近では、安全対策を徹底してイベントを開催する団体も出てきています。自粛か開催か迷っている方に参考になればと、安全対策や心掛けのアドバイスを共有していただくため、10月に障がい・育児をテーマにした勉強会を主催した「はまどおり大学」のメンバーにお話をおうかがいしました。

 

コロナの感染予防に注意して開催された勉強会=いわき市の古滝屋・2020年10月19日

 

● コロナ禍になぜ開催?

お話してくれたのは、子どもや障がいを持つ方、性的少数者(総称・LGBT)などが暮らしやすい社会を考えるいわき市のグループ「はまどおり大学」の田子恵子さん(常磐地区・「株式会社あんど」代表)。事例となる、10月19日に常磐地区の古滝屋で開催されたイベントは、いわき市内の障がい児の現状をテーマにした「はまちる勉強会」。会場とオンラインの両開催で、約30人が来場し、10人がオンラインで聴講しました。コロナ禍でも開催したのは虐待の件数が増えているなど地域の福祉問題は深刻で、住民に障がいや育児に関心を持ってもらい、温かく見守る地域づくりを止めてはいけないという思いから。田子さんは、コロナ禍だからこそ学びや交流の機会の大切さを話していました。

 

● 安全対策は?

田子さんによると、安全対策は厚生労働省のガイドラインを参考にしたといいます。来場者にアルコールの手指消毒と体温チェックをしてもらい、名前と連絡先の記載もお願いしました。連絡先の記載は、感染者が出た場合にほかの来場者に知らせるのが目的です。ただ、主催者は連絡先を管理する責任が大きく、来場者は住所や電話番号を書くのに抵抗があり、次回からはいわき市が運用する「あんしんコロナお知らせシステム」(※1)を使う予定だといいます。これにより、主催者も来場者も個人情報に関しての悩みが解消できます。

 

※1 「あんしんコロナお知らせシステム」とは(いわき市ホームページ):https://www.anshin-iwaki.jp/

 

インタビューに答えていただいた田子さん

 

● 会場とオンラインで開催

会場にも工夫。場所は広くて天井が高い「古滝屋」の1階ロビーを使用。講演者は聴講者から2メートル以上の距離を取り、聴講者同士が対面にならないように席を配置しました。オンラインではビデオチャットサービス「Zoom(ズーム)」を利用。南相馬市の参加者は、会場を訪れるにもコロナの感染を心配していたようで、オンラインで安心して聴講できたといいます。オンライン開催のメリットについて、田子さんは感染予防と交通費不要の点を挙げます。一方で、参加者同士のつながりが持てず、参加者が画像を切ることができるのできちんと聴いているか表情や反応が見えにくいマイナス面も感じていました。

 

● 課題は?

本来は来場者も交えた対話形式で勉強会をやりたいようですが、感染予防でできない課題も。来場者の意見や悩みの声に応える対策として、希望者がいれば後日カウンセリングルームで意見交換することも検討しているといいます。田子さんは「コロナ禍で虐待やDVの相談が増えたり、離職する親が出て子どもたちが不安になったり、様々な問題が起こっている。こういう時こそ住民同士が学べる場をつくるのは大切だと思う」と、安全を徹底して開催する思いを語っていました。

 

<記者のひとこと>

「はまちる勉強会」の当日も取材させていただき、終了後に参加者同士が情報交換していたのが印象に残っています。短い時間ではありましたが、「お久しぶりです」といった言葉が交わされ、こういった些細な交流が関係機関や住民らを結び付けるきっかけになっているようにも思いました。当医和生会(いわきかい)は今春に「子育てセミナー」を開催する準備をしていましたが、新型コロナの感染が拡大したために中止にし、育児に悩む市民のための学びと交流の場を届けることができませんでした。安全管理を徹底してでも開催する必要があるのか、オンライン上だけではいけないのか、賛否は様々だと思います。それでも開催を迷っている方がいるようでしたら何かのヒントを得られないかと取材したのが今回の記事です。参考になれば幸いです。(事業推進室・西山将弘)

 

【今回取り上げたイベントの記事】

「障がいや育児に寛容な地域づくりへ・はまちる勉強会」 2020年10月27日投稿:https://iwakikai.jp/blog/4797/

 

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