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投稿:2018年11月27日更新:2022年12月26日

多職種連携・地域連携

452. 障がい者支援のいわきの課題は? 薬剤師の無料訪問案内も共有・平多職種連携の会

いわき市平地区の医療・福祉関係者が集う「平在宅療養多職種連携の会」がこのほど、同地区のタローズカフェで開かれました。参加者約30人が聴講し、障がい者がいわきで暮らし続けるための7つの地域課題を確認。薬剤師が薬で悩む患者の自宅や入居施設を無料で訪問し服薬管理する期間限定の支援も共有されました。

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↑「障がいのある方の地域課題について」と題して講話した木村さん(右)

● 地域自立支援協議会に4つの支援部会
いわき基幹相談支援センターの木村活昭さんが「障がいのある方の地域課題について~いわき市地域自立支援協議会の取り組み」と題して講話。障害者総合支援法に基づき地方公共団体で設置が努力義務とされている「地域自立支援協議会」について説明しました。いわき市では年4回ほど開催され、医療、障がい福祉、教育関係者や学識経験者、行政職員らでつくる構成員が、障がい者が安心して暮らせる地域づくりを話し合います(※1)。関係機関とのネットワークづくりや社会資源の開発のほか、市に施策提案もします。設置されている4つの支援部会は、病院や入所施設から地域の中で暮らせるよう考える「地域移行」(※2)、「地域生活」、「児童・療育」、「就労」です。

※1 いわき市地域自立支援協議会の構成(いわき市ホームページより)
地域自立支援協議会 (640x445)

※2
「障がい者が地域で暮らせる支援を考えた『地域移行支援研修会』」 2018年10月2日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-575.html

● 地域課題に「重度化・高齢化」「20歳後の受け皿づくり」など
木村さんは、協議会で話し合いが進んでいる7つの地域課題を紹介。「重度化・高齢化の対応」の課題では、親が亡くなっても障がい者が在宅生活できるように、緊急時の対応体制づくりや、親が元気なうちに一人暮らしの体験の機会づくりなどが検討されています。2020年度末までに、障がい者の地域での生活を支援する体制「地域生活支援拠点」を整備しようという動きも(※3)。障がい児入所施設を20歳で退所しなければならないものの、市内にはその後の受け入れ施設がない「受け皿づくり」の課題では、高校入学時点で退所に向けた支援をチームで話し合おうといった案も話し合われているといいます。このほか「新生児集中治療管理室(NICU)から在宅支援につなぐ体制づくり」、「早期療育体制の整備」、支援学校ではない高校に通う障がいの疑いのある生徒のための「就労支援体制の構築」などの課題が挙げられました。木村さんは「地域共生社会に向け、皆さんと話し合って連携していきたい」と話していました。

※3
「『地域生活支援拠点』設立に向け、『市地域自立支援協議会』への提案を議論した『小名浜地区の障がい児者支援事業所ネットワーク会議』」 2018年10月3日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-576.html

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↑薬剤師のおためし訪問事業を紹介したいわき市薬剤師会の政井副会長(右)

● 無料お試し 薬剤師が訪問相談します
いわき市薬剤師会の薬剤師・政井学副会長は「ちょっと聞いて!薬剤師おためし訪問事業について」と題して講話。福島県薬剤師会の取り組みの一環で、今年12月から来年2月上旬まで、薬剤師が無料で患者宅に訪問して飲み合わせの確認や薬整理をするサービスを紹介しました(※4)。訪問看護師や介護支援専門員(ケアマネジャー)らから依頼を受けるか、薬局で不安な患者を見つけたら、患者の同意とかかりつけ医の許可を得て、関わっている専門職者間で連携して同行訪問し患者に薬のアドバイスをします。先行してこの事業に取り組んでいる長野県では、利用した薬剤師以外の専門職者114人の95.7%が「有用だった」と回答。政井副会長は、要望があればかかりつけの薬局にまずは連絡し、都合がつかないときは窓口のいわき市薬剤師会事務局に連絡するよう呼び掛けました。

※4 薬剤師のおためし訪問事業の詳細(福島県薬剤師会ホームページ)
https://www.fukuyaku.org/promotion/monitor-1

いわき市薬剤師会事務局の電話:0246-46-0430

【関連記事】
<平在宅療養多職種連携の会>
2017年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-34.html

2018年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-38.html