いわき市内郷地区の「オレンジカフェ以和貴」が毎月第4火曜、市総合保健福祉センター内のラウンジミュウで開かれています。開設から2年2カ月が経過。当初から参加している地域の方々は今も足を運んでいます。なごやかな雰囲気で、参加者やスタッフが笑い合っておしゃべりする姿が目立ちます。自分は認知症だと話す方もいたといい、認知症や老化を学ぶ参加者同士が優しく接し合っています。
● フリートーク、健康講話、脳トレ体操など
看護師や保健師、介護支援専門員(ケアマネジャー)ら専門職が常駐する「オレンジカフェ以和貴」は、認知症の方やご家族、地域住民らの交流の場としていわき市地域包括ケア推進課が主催。2015(平成二十七)年11月に始まり、現在は平、小名浜、勿来、常磐、内郷、四倉の6地区の計8会場で毎月1回開かれています(※1)。「オレンジカフェ以和貴 ラウンジミュウ」は「有限会社KY企画 かいごステーションさざんか」が受託し、2017(同二十九)年2月にスタート(※2)。フリートーク、健康講話、脳トレ体操、昼食といったプログラムが組まれています。
※1. オレンジカフェ以和貴の会場(いわき市ホームページより) http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1454293773647/index.html
※2. 「開設ごろのオレンジカフェ以和貴 ラウンジミュウ」 2017年6月27日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-220.html
● 談笑し、サルコペニアを学ぶ
今月23日に開かれたカフェには、60~90代の17人が来場。当初から通っているご近所仲間の3人組は「キクイモの芽が出てきた」「何でも作って大したもんだね」と畑仕事の話題で盛り上がっています。平日の日中は話し相手がいないという3人のうちの1人は「ここに来るとしゃべれて楽しい」と笑顔。このカフェで知り合ったという車いすの女性が姿を見せると、笑顔であいさつを交わしていました。「さざんか」の主任ケアマネジャーの木田ひとみさんが講師を務め、筋力維持のための食事をテーマに講話。筋肉が減った状態を「サルコペニア」と説明した木田さんは、タンパク質摂取の大切さを呼び掛け。参加者は資料を参考に、筋肉を付けるオリジナルランチメニューをそれぞれ考えました。
● 明るい職員 声を上げて笑う参加者
ユーモアたっぷりに話し掛ける職員は明るいです。脳トレ体操が始まり「体操のお兄さーん!」と紹介された講師の60代職員は「体操の元・お兄さんです」と切り返して笑いを誘います。口腔体操時には職員が「おしわの気になる方は集中してやってください」と冗談交じりに声掛け。その度に参加者は声を上げて笑います。「KY企画」取締役の大越きよ子さんは「明るく楽しく、元気になる情報を届けたい」とモットーを語ります。
● 今後は「地域との交流の輪を広げたい」
明るい雰囲気のためか、参加者は会話が弾んでいます。大越さんによると、会話中に「自分は認知症です」と打ち明けた方もいたといいます。「すぐ忘れてしまうんです」「なかなか覚えられないんです」と話す方も多く、みんなで認知症や老化を学び、お互いに優しく受け入れサポートし合っています。介護の悩みを抱える家族が訪れる時もあり、地域包括支援センターを紹介したことも複数回あるそうです。20人でいっぱいになる会場はこれ以上参加者を増やすには狭く、大越さんは「いつか外で開催したい」と話します。会場ガラス戸の向こうは、芝生やベンチ、テーブルが整備された開放的なスペース。大越さんは「外気浴をしながらお茶を飲んだり、昼食を取ったり、地元の演芸ボランティアにご参加いただいたりして、地域との交流の輪を広げたい」と今後の展望を話していました。
【オレンジカフェ以和貴 ラウンジミュウ】
開催日時:毎月第4火曜の11~14時
場所:いわき市総合保健福祉センター内のラウンジミュウ(福島県いわき市内郷高坂町四方木田191)
参加費:飲み物代100円(昼食は自費)
問い合わせ:かいごステーションさざんか(0246-45-2237)
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「植田地区のオレンジカフェ以和貴わいの家」 2019年4月19日投稿:https://iwakikai.jp/blog/506/