食と健康を学ぶ交流の場「俺たちの料理教室」がこのほど、いわき市の小名浜公民館で開かれ、元食品添加物研究員で栄養士の中村寛子さんが「身近にある食品添加物の恐ろしさ」と題して講話しました。参加者約30人は「まごわやさしいこ」をキーワードにした食事が大切で、食品添加物を排出できる体質づくりに理解を深めました。
● 健康づくり兼ねた交流の場
俺たちの料理教室は2012年11月に誕生。発起人の小野田浩宗会長は浪江町出身で東日本大震災で町外に避難した後、糖尿病や心筋梗塞などを発症して食と健康の大切さに気付きました。それを機に被災して離れ離れになった町民のコミュニティづくりも兼ねて教室がスタート。現在はいわき、本宮、浪江の3市町で定期的に開催し、町民らをつないで健康づくりに貢献しています。「新春の会」と銘打って2月2日に開かれた教室には、市内外から約30人が集まりました。
↑老廃物質を体外に排出できる体質づくりをアドバイスする中村さん
● 健康食材 「まごわやさしいこ」
講師の中村さんは食品添加物研究員として、かつてサプリメント開発などに携わりました。密封された添加物入り食品は賞味期限が過ぎても3年半以上カビも生えず、臭いも見た目も変わらないままだったという研究員時代の経験談を披露。そのような力を持つ化学物質に健康不安を危ぐする一方で、食品添加物を口にする数多い機会は避けられず「老廃物質を体外に排出できる体質をつくればいい」とアドバイス。そのためには健康な食生活が必要とし、「マメ」「ゴマ」「ワカメ」「野菜」「魚」「シイタケ(キノコ類)」「イモ」「コメ」のそれぞれの頭文字を取った「まごわやさしいこ」を紹介。その8食品群を毎日食べることで、貧血が改善され、ガン化を防ぐ細胞膜が強化につながり、健康な体質になると解説。中でも特にワカメ、シイタケ、ヤマイモ、雑穀といったヌルヌル、ネバネバの水溶性食材を取り入れると、デトックス効果が増し、より食品添加物を排出できる体質になると説明しました。
● 「食品添加物は安全?」
大手食品メーカーのホームページを読んだ参加者は「『国の基準をクリアしているから安全』と唱っている」と食品添加物の安全性を質問。中村さんは、単体の食品は安全確認されているが、添加物入りの食品を一度に複数食べると様々な化学物質が化合し、その安全性は保障できないと回答。それでも「そういった物質を排出できる体質をつくればいい」と、あらためて「まごわやさしいこ」に基づいた食生活を呼び掛けました。その後参加者は、細胞の働きを学べるアニメを鑑賞し、野菜などが当たるゲームも楽しんで交流。食育指導士と健康管理士でもある小野田会長がこの日の講話を振り返り、3度の食事、十分な睡眠、運動の大切さを訴えました。
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