いわき市の「介護予防ケアマネジメント支援会議」(※)がこのほど、市総合保健福祉センターで開かれ、当法人の介護支援専門員(ケアマネジャー)と「やがわせデイサービス」の職員が相談しました。多彩な専門職種7人から、服薬忘れの予防法、簡単な筋力トレーニング、体重管理など、ご利用者様のケアの助言を受けました。
※「介護予防ケアマネジメント支援会議」とは:ケアプラン作成者と介護事業所職員が、支援計画書などを会議に提出し、アドバイザーから「介護予防」と「自立支援」につながる専門的なアドバイスを受けます。アドバイザーは、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士、地域包括支援センター職員の7職種です。昨年10月にスタート。詳しくは市のホームページ「介護予防ケアマネジメント支援会議について」(※記事末尾にリンク)
● 服薬忘れ防止策、簡単な筋トレ法
9月25日夜に開かれた支援会議のアドバイザーは、理学療法士の菅波成年(当法人通所リハビリテーション管理者)、薬剤師、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士、地域包括支援センターの職員7人。当法人のケアマネジャー・松﨑まあやは、すり足歩行の要支援2の女性(86)の支援方法を相談しました。認知機能の低下を懸念する薬剤師は、薬を一包化にして日付を付ける薬飲み忘れ防止のアドバイス。転倒頻度や歩く様子を尋ねた菅波は、丸めた新聞紙を等間隔に並べて足を上げて歩く運動法を助言。「足を上げて、つま先を上げて」というよりも「かかとから着地して」という声掛けの方が、相手に心理的負担を与えず同じ意味で指示できるという細かい工夫も紹介。農業が趣味という言語聴覚士は、女性が興味を持っているイチゴ栽培のアドバイス。体重の減少に目を付けた管理栄養士は、運動面だけに気を取られ栄養摂取を見過ごしたらけがにつながると注意喚起しました。集団では積極的に話さない情報から嚥下(えんげ)機能の低下を心配した歯科衛生士は口くう体操を勧めました。
● 定期的な体重測定、かみ合わせの確認
当法人のケアマネジャー・芳賀諭と「やがわせデイサービス」の相談員・菅野翔平は、脚の筋力と認知機能の低下がみられる要支援2の女性(82)の支援方法を相談。骨粗しょう症を患いながら痛み止めの薬を服薬しておらず、薬剤師はリハビリで負荷が掛かるようなら医師との相談を勧めました。菅波と作業療法士は、外出時に乗るという自転車の安全確認をアドバイス。体重減少が見られることから、管理栄養士は定期的な体重測定を、歯科衛生士はかみ合わせの確認をうながしました。地域包括支援センターの職員は、近所や民生児童委員らとの交流が希薄な点からデイサービスでのつながりを保つよう助言しました。
● ご利用者様の助言に生かす
参加した松﨑は、相談対象のご利用者様が新規優先のため、担当間もない状態で細かい書類を準備する大変さを語る一方、「運動で脚を上げさせる声掛けの工夫が『なるほど』と思い勉強になった。飲み忘れ防止のため薬に日付を記入するアドバイスが参考になって、早速ご利用者様に伝えようと思います」と収穫を語りました。糖尿病のご利用者様の食事量が多いのを心配していた芳賀は、糖尿病診断の指標の一つとなる「ヘモグロビンA1C」の数値が80代なら問題ない数値だと管理栄養士からアドバイスを受けて安心した、と感想。「本人にも助言ができる」と話していました。
【関連情報】
「いわき市介護予防ケアマネジメント支援会議とは(市ホームページより)」: http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1510534507994/index.html
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「今年1月のケアマネジメント支援会議」 2018年1月24日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-390.html
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