いわき市小名浜地区の「障がい児者支援事業所ネットワーク会議」が今春に結成されて半年が経過しました。障がい福祉サービス事業所同士が課題を共有し、現在は障がい児者が自立できる地域づくりに欠かせない支援拠点の設立に向けて話し合いが進行中。ここでの意見を「市地域自立支援協議会運営会議」に届けようと案をまとめています。7回目の会議がこのほど小名浜公民館で開かれ、参加した事業所の職員は「地域生活支援拠点」の報告を受け、どうすればいわきで実現できるかを具体的に考えました。
● 現場の声をまとめ「市地域自立支援会議」に提案へ
「障がい児者支援事業所ネットワーク会議」の9月20日現在の登録事業所数は42団体で、2月27日に誕生してから5団体増えました。事務局はいわき障がい者相談支援センターに置きます。現在は、障がいの重度化や高齢化を見すえて障がい児者の生活を地域全体で支援する「地域生活支援拠点」を主要テーマにして議論。この拠点は2020年度末まで、全国の各市町村か各圏域に最低1つ整備しなければならず、いわき市では「いわき市地域自立支援協議会」(※)で検討が進められています。サービス事業所の現場の声も反映してもらおうと、「ネットワーク会議」でも実現のためのアイデアを提案する予定です。
※ いわき市地域自立支援協議会(市ホームページ):http://www.city.iwaki.lg.jp/…/cont…/1450678813250/index.html
(委員名簿、部会、議事録などが共有されています)
● 長野県、会津若松市での視察報告
7回目の会議は9月20日に開かれ、障がい事業所職員や相談員ら約15人が参加。「市地域自立支援協議会」の地域生活支援部会部長から、長野県北部の6市町村でつくる北信圏域と会津若松市で取り組まれている「地域生活支援拠点」の視察の報告を受けました。会津若松市の例では、障がい者がアパートやグループホームで生活体験や、総合病院の空き病床を利用した緊急時の入所の取り組みなどが紹介されました(※)。
※
「地域生活支援拠点等の好事例集。会津若松市や長野県北信圏域など24例」 厚生労働省のホームページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000128378.html
● 「空き家を利用」「学校の先生と情報交換」
グループワークの前に「地域生活支援拠点」の5つの機能である、「相談」、「緊急時の受け入れ・対応」、一人暮らしに向けた「体験の機会・場」、「専門的人材の確保・養成」、社会資源やサービスを必要な人につなぐ「地域の体制づくり」を確認。この日集まった障がい事業所職員や相談員ら約15人は4組に分かれて、各組が5つの機能のうち一つをテーマに選んで「具体的に必要な機能」「どうすれば整うか」などを議論しました。「体験の機会・場」を話し合った組は「ホテル・旅館の空き室、空き家など既存の施設を利用する」「グループホームから日常の生活の場に出てまたグループホームに帰る一連を体験できるようにする」「親よりもよく見ている場合がある学校の先生とも連携して情報交換する」といった意見が出ました。体験受け入れの交渉をするため、グループホームに提示する条件をまとめる必要性も指摘されました。まとめられた案は毎月開かれている「市地域自立支援協議会運営会議」に提出されます。
【関連記事】
「1回目の「小名浜地域障がい児者支援事業所ネットワーク会議』」 2018年3月6日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-420.html
「市地域自立支援協議会が主催した『地域移行支援研修会』」 2018年10月2日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-575.html