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投稿:2018年09月28日更新:2021年05月11日

いわきの介護 多職種連携・地域連携

410. 認知症の地域ケア力向上へ ヤクルトレディも協力!!・「内郷・好間・三和地区」

ヤクルトの訪問販売をする「ヤクルトレディ」の“地域見守り力”を借りようと、いわき市の内郷・好間・三和地区保健福祉センターの職員がこのほど、同市のいわきヤクルト販売を訪れ「認知症地域相談窓口」の啓発協力を呼び掛けました。お年寄り宅も多く訪問するヤクルトレディはかつて、玄関で倒れていた一人暮らしの男性を発見して一命を救ったケースも。コミュニケーション力を発揮するヤクルトレディがこれから、内郷・好間・三和地区の住民約1800人に認知症の悩み相談窓口をPRしてチラシを配ります。さらに、認知症ケアには早期発見が欠かせず、ヤクルトレディが認知症の疑いのある住民を見つけたり悩みを聞いたら関係機関につなぐ体制も確認し、内郷・好間・三和地区の地域ケア力の向上が期待されます。

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↑「認知症地域相談窓口」の啓発協力を依頼する内郷・好間・三和地区保健福祉センターの職員(右)

● 近所付き合いが希薄のお年寄り 倒れていたのを発見
ヤクルトレディが“見守り力”を発揮した大きな例は2016年11月中旬。入社して半年ほど経った永井由希菜さん(32)が正午過ぎ、週1回訪問する四倉地区の一人暮らしの男性高齢者宅を訪れると、玄関に回覧板が差し込んだままになっているのに気づきました。初めての状況で異変を察し、声を掛けても返事がありませんでした。玄関を開けると男性が倒れており、急いで救急車を呼び近所にも助けを求めて九死に一生を得ました。「男性は意識があったまま3日間ほど倒れていたようです。近所住民は『(男性は)隣組を抜けたからどんな人か分からない』と言っていた」と永井さん。住民との深い交流は無かったように考えられ、永井さんの訪問が無ければ発見がさらに遅れた可能性も。その後、男性は施設に入所されたようで、訪問はなくなりました。

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↑玄関で倒れていた一人暮らしのお年寄りを発見したヤクルトレディの永井さん

● 見守り活動に役立つ信頼関係の構築力
男性の担当を引き継いだばかりのころ、永井さんは「訪問してもお金だけ渡されて相手にされず、心が折れる時もあった」と振り返ります。それでも「長く続けるのが大事」という先輩の助言を信じ、訪問時間を毎回守り、男性との距離感を気遣いながら会話を重ねていきました。そのうち男性がサボテン好きと知った永井さんは、自身も育てて話のネタに。すると会話が弾みました。いつしか男性はぴったりのヤクルト代を持って楽しみに待っていてもらえるようになり、信頼関係が構築。男性はいつも午前中に散歩すると知っていたため差し込んだままの回覧板を見過ごして帰らず、安否確認の行動に移しました。

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● 「認知症地域相談窓口」 PRを依頼
このようなヤクルトレディの“見守り力”の助けを借りようと、内郷・好間・三和地区保健福祉センターの白土典子係長は9月19日、いわきヤクルト販売を訪れて協力を依頼。同地区の中地域ケア会議で企画され、地区内の薬局や介護施設の計33事業所でつくる「認知症地域相談窓口」を、担当職員にチラシとポスターを手渡してPR。認知症に悩む家族らに応える「相談対応」、認知症者や住民の困り事に気付いたら関係機関に連絡する「つなぎ役」の機能を持つ「地域相談窓口」の概要を説明しました。白土係長は、地区内の住民に「相談窓口」の存在を伝え、さらに認知症の疑いを感じる住民を見つけたら関係機関につないでほしいと協力を呼び掛け。内郷・好間・三和地区内にはヤクルトレディ20人弱が約1800件を訪問しているといい、担当職員は「商品を届けるだけでなく、地域の安全にも協力したい」と快諾。配布用のチラシは来月上旬までに刷り上がる予定で、その後ヤクルトレディがPRを兼ねて訪問します。

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↑内郷・好間・三和地区で設けられた「認知症地域相談窓口」のチラシ

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「相談窓口を協議した内郷・好間・三和地区中地域ケア会議」 2018年6月26日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-503.html

「薬局が認知症疑いのお年寄りを発見して関係機関につないだ事例」 2018年7月6日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-511.html

「好間地区の住民に呼び掛けた『記念講演会』」 2018年7月24日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-524.html