いわき市のJR湯本駅前の放課後等デイサービス「放デイ『U.AND(ユーアンド)舎』」は、発達障がいと認められず授業についていけない児童生徒らを支援しています。発達障がいの疑いがある子、または発達障がいの子、不登校の児童生徒らにも遊び場や学習環境を提供。子どもの興味や能力を引き出す教育法や英会話の授業も取り入れ、勉強や社会訓練、コミュニケーション能力の向上をサポートしています。
● 安堵できる場所をめざす
「U.AND舎」は今年3月1日にオープン。運営する「株式会社あんど」の田子恵子代表は、身体障がいを抱え再就職で苦労した父親を見て育ちました。さらに発達障がいと思われる家族もおり、社会にサポートする場が必要だと思い立って設立しました。「発達障がいの線引きは難しく、中にはギリギリ認められない子もいる」と田子代表。“グレーゾーン” の子は、一般の学校では授業についていくのが難しいです。そういった子も安心して過ごせる場所をめざすこのデイサービスの名前は、普遍性を意味するユニバーサリティーの頭文字と所在地「湯本」から取った「U(ユー)」と、「安堵」感や社会と子どもをつなぐイメージの「AND」に由来します。
● 子どもの自発的活動うながす教育法も
スタッフの保育士と介護士が常時4、5人対応。スクールカウンセラーが週1、2回訪問し、勉強のカリキュラム作成をサポートします。英会話講師を週3回招いて学習支援や留学のアドバイスも。史上最年少で将棋のプロ棋士になった藤井創太七段も実践した、子どもの自発的活動をうながす「モンテッソーリ教育法」も導入。他人と上手に接する方法を学ぶソーシャルトレーニングも行います。体を動かして遊べる「フロアルーム」、勉強部屋、静養室などが整備。子どもの障がいに悩む親向けにカウンセリングも行っています。現在の利用登録者は小学校1年~高校3年生の12人で、毎日7人前後が利用。相手の感情を読めずに悪気なく傷つける事を言ってしまう子や、予測できない動きを恐れて人や動物を避ける自閉症の子もいます。
● 車、お絵描き、ボール遊びに夢中
8月24日午前は小学1年生~中学2年生まで8人が利用。一番早い子は午前8時に来所し、午前10時半までスタッフと一緒に夏休みの宿題をします。その後は遊びの時間。車好きな子は、中古車のカタログや新車のパンフレット、ミニカーの本などのページを楽しそうにめくっていました。モンテッソーリ教育法を受ける子はお絵描きに挑戦。ニンジンを繰り返し描き、スタッフから「上手」とほめられます。「リンゴも描ける?」と聞かれればサッと描き上げ、喜んで色鉛筆を走らせていました。オセロや積み木、ボールで友だちと夢中で遊ぶ子も見られました。
● 今後の目標は子ども専用の相談窓口の設置
田子代表は「子どもが発達障がいか悩んでいる親に『このような支援する場所がある』と伝えるのが課題」と話します。「障がい者が通う場所」というイメージを払しょくするため、学習塾のようなチラシを作成する工夫にも努めています。今後の目標は、常磐・湯本地区にはまだないという子ども専用の相談窓口の設置。現在スタッフ一人が相談支援員の資格取得を目指しています。田子代表は「子どもが安心して過ごせる居場所をつくって勉強を後押ししていきたい」と抱負を語っていました。
【放デイ「U.AND舎」】
場所:福島県いわき市常磐湯本町天王崎92湯本ビル3階
対象者:発達障がいや知的障がいを抱える、あるいは疑いのある小学生から高校生、学校になじめない不登校の子ども
利用時間:平日は学校終了後~午後6時、休校日や長期休暇期間は午前9時~午後5時
営業時間:平日は午前9時~午後7時、休校日や長期休暇期間は午前9時~午後5時
定員:1日10人
ホームページ:http://uand-iwaki.com/
電話:0246-43-0373
メール:a.and.and.iwaki@gmail.com
【いわき市の指定障害児通所支援サービス事業所一覧(児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援)(2018年8月1日現在)】
いわき市ホームページより:http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000036/simple/18_300801.pdf
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