いわき市の内郷・好間・三和地区でつくられた「認知症地域相談窓口」の開設を祝う記念講演会がこのほど、好間地区のいわきの里「サンシャインよしま」で開かれました。この窓口は地区内の薬局や介護事業所が住民の相談役や関係機関へのつなぎ役を務め、認知症者の早期発見をめざしています。講演会では事務局が窓口をPRするとともに、医師と薬剤師がそれぞれ認知症と薬の講話をして地区住民に健康管理を呼び掛けました。
● 認知症地域相談窓口 「近所の人にも伝えてほしい」
「相談窓口」は、内郷・好間・三和地区中地域ケア会議が4月に開設。認知症が重度化してから相談を受けるケースが多発していることから、早期発見できる仕組みをつくろうと計画されました。3地区内の薬局と介護施設の計33事業所が窓口として登録しています。7月10日に開かれた記念講演会には地区住民約40人が集まり、内郷・好間・三和地区保健福祉センターの職員が「相談窓口」を紹介。「『認知症かしら?』と感じた時に悩みや予防などを相談できる窓口」「近所の人にも伝えてほしい」と呼び掛けました。贈呈ではいわきの里の村井弘施設長がオレンジ色の「相談窓口」ステッカーを受け取りました。その後、竹林貞吉記念クリニックの松田徹院長が「認知症の理解と予防」、市薬剤師会の薬剤師・渡辺則之さんが「お薬の話」と題して、それぞれ記念講演しました。
● 認知症と薬の講演
松田院長は市が発行した「認知症あんしんガイド」に沿って講話。食べた物を思い出せない健康的な物忘れと、食事の体験そのものを思い出せない認知症の物忘れを挙げ、それぞれの違いを解説しました。予防として運動、脳の活性化、地域に出ての社会活動などを助言。「身近な人が認知症になったら『相談窓口』に気軽に相談して」と呼び掛けました。渡辺さんは医療用と一般用の医薬品の違い、薬の種類、副作用を最小限に抑える服用のタイミングなどをアドバイス。薬の飲み方の多い疑問には「基本はコップ一杯の水か白湯で飲む」「自己判断ですりつぶして飲むのは大変危険」と答えました。複数の医療機関に受診し危険な飲み合わせを防ぐため「かかりつけ薬局を持って」「お薬手帳を一冊にまとめて、持ち歩いてほしい」と呼び掛けました。
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