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投稿:2018年07月18日更新:2021年05月15日

360. いわきの医療福祉を守るため 危機的現状と予測を共有・いわき福祉懇話会の講演会

「いわき福祉懇話会」が主催する講演会「いわきで生きたい!いわき市の福祉の現状と課題」がこのほど、いわき市健康・福祉プラザ「いわき ゆったり館」で開かれ、NPO法人「地域福祉ネットワークいわき」の園部義博事務局長が講話しました。急激な少子高齢化から近未来に貧しい人は医療・介護を受けられなくなる可能性も考えられ、「予測不能の事態が起こるかもしれない」という危機的状況を共有し、参加者はいわきの医療福祉を守るために尽力する決意を新たにしました。

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● いわきの現状と課題を共有し、未来を考えよう
「いわき福祉懇話会」は、いわき市内の介護、障がい福祉の51事業所で構成される組織。講演会は年2回開催され、今年で3年目になります。超高齢化社会の到来で社会保障制度の維持が困難な状況も予想される中、あらためていわき市の現状と課題を共有して未来を考えようとこの講演が企画されました。講演会は7月7日に開催され、介護・障がい福祉関係者、行政職員ら約60人が聴講しました。

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● 「今の常識では計り知れない事が起こるかもしれない」
園部事務局長は、いわき市の高齢者人口が30年間で急激に増加していると指摘。65歳以上の市民が1985(昭和六十)年の4万780人から2017(平成二十九)年には9万5614人に増加したと説明しました(※1)。さらに今後30年後には市の人口が20万人を切り、市民のほぼ2人に1人が65歳以上になるデータも示されました(※2)。さらに市内の高齢者単身世帯数と高齢者のみ世帯数も約30年前から激増しているデータも共有。園部事務局長は「今の常識では計り知れない事が起こるかもしれない」と将来への危機感を訴えました。

※1.
いわき市人口1 (640x261)

※2.
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● インフォーマルなサービスを地域でつくらねばならない
将来少子高齢化が進んでも暮らし続けられるいわき市をつくるため、「住まい・医療・介護・予防・生活支援」が一体的に提供できる「地域包括ケアシステム」の構築の必要性に触れました。家族の支援力が低下し、介護や障がい、生活困窮といった複数のニーズを抱える家族も増え、個人ではなくその家族全体の問題として支援しなければならない時代になっていると説明。だからこそ厚生労働省は分野ごと「縦割り」ではなく総合的な支援に取り組む「地域共生社会」の実現を掲げ、その当面の改革工程を紹介しました。社会保障費が増加する中で団塊の世代の医療・介護費の抑制が求められ、園部事務局長は現状が続いたら所得がない人は医療や介護を受ける選択肢がなくなり、自宅で暮らせず入院もできない社会になりかねないと警鐘を鳴らし、より一層市民が地域医療福祉のために尽力しなければならない危機感を共有しました。その後、障がい児者、子どもの貧困、少子化、医師不足などをテーマに語りました。最後、事前に集めた質問から「いわき市の中でも医療や福祉サービスを享受できない人が出てくるのでは」という問いに、園部事務局長は「出てくると思う。だからフォーマルではない違ったサービスを地域でつくっていかなければならない」と答えました。

【関連情報】
いわき市の人口(いわき市のHP):http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1489640957091/index.html