職員が細かく切った食材が次々とテーブルに運ばれてきます。豚肉、ピーマン、キャベツ、にんじん、もやし…ホットプレートからはみ出しそうなほど具だくさんです。野菜に火が通ったところで麺を投入し炒めていると、部屋中にソースのいい匂いが広がりました。外出から戻ってきた職員も「いい匂いだ!」と思わず笑顔になっていました。
「焼きそばなんてあまり食べたことないからわからないの」と笑って見ていた利用者様も、菜箸を渡されると立ち上がって野菜を炒めはじめました。隣に座る利用者様や職員に「野菜はどれぐらいまで炒めればいいの?」「次は何を入れるの?」と丁寧に確認します。
以前、料亭の女将さんをされていた利用者様は見事なヘラさばきで野菜を炒めます。麺が切れないように割り箸に持ち替え、気を配りながら混ぜていました。「こうやって料理してると料亭でのこと思い出しますか?」と職員に尋ねられ、にっこりとうなずいていました。
できあがった焼きそばをお皿に盛り付け一人ひとりにお配りすると、皆さんのお箸はどんどん進むご様子で、「うまい!」と口いっぱいに頬張って召し上がる方もいらっしゃいました。