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投稿:2018年06月21日更新:2022年12月26日

多職種連携・地域連携

342. 「多職種連携」対立しない心構え学ぶ・ままはーとが初の地域公開勉強会

障がい分野からも医療や福祉専門職、地域住民、行政と連携の輪を広げていこう―。いわき市好間地区の重症心身障がい児(重心児)を支援するNPO法人「ままはーと」がこのほど、同法人が運営する重心児デイサービス「どりーむず」で、地域公開勉強会を初めて開催しました。「多職種連携の考え方と方法」をテーマに、「ままはーと」の理学療法士・杉下由貴さんが講話。患者の「生活の質」向上のため様々な医療や福祉専門職が連携すべきなのになぜ対立するのかなどを考え、連携促進のために大切な心構えを共有しました。
● 認定訪問療法士の杉下さんが講話
一般社団法人日本訪問リハビリテーション協会の認定訪問療法士でもある杉下さんは、5月に同協会の研修会で講師を務めました。その講話を職員間だけでなく地域の方々にも聞いてほしいと、「地域をつなぐ」という理念の下に「ままはーと」が企画。その名も「『♡NPO法人ままはーと』のなんでも勉強会♡」。6月13日に開かれ、市内の障がい福祉施設や介護施設の職員、理学療法士、介護支援専門員(ケアマネジャー)ら計20人が出席しました。DSC_2362 (640x428)
↑講話した杉下さん● なぜ連携するの?
杉下さんは「連絡を密に取り合う」「同じ目的を持つ」というキーワードで「連携」を説明し、なぜ医師、歯科医師、薬剤師、看護師、リハビリ職、介護専門職者ら多職種が連携する必要があるかと問い掛けます。リハビリ職でいうと運動機能だけ見ていては患者・利用者の生活までを支えられず、様々な専門職の視点から包括的に考えるのが大切と話します。多職種連携がうまくいくと利用者と家族に安心感が生まれ、安全、効率性、サービスの質、スタッフのモチベーションの向上も期待できると説明しました。● なぜ対立するの?
「連携に欠かせないのが人間関係」と杉下さん。多職種連携を図る上での2つの葛藤では、地位や専門職文化などの違いから生じる「専門職間の葛藤」と個人の性格に関わる「個性の違い」を挙げました。「自他の違いを受け入れて合意形成するコミュニケーションが求められる」と助言。対立しやすい人の特徴では、正しい事を正しく行うべきという「正義の人」、自身の成功体験を確信してそれ以外は受け入れない「経験豊かな人」、状況や目的より手段の重要性を主張する「方法の人」、衝突がないと頑張れない「対立を望む人」と解説。人間関係の構築が上手な人は「相手の失敗を受け入れられる」「聴き上手」「自分を大きく見せない」「感謝を惜しみなく表現できる」など18の特徴も紹介。多職種連携に必要な能力として「専門職の能力」「基本的なコミュニケーション能力」「専門性や個性が異なる相手に有効にアプローチする能力」を挙げ、「このようなスキルは自然に身に付かない」と学習とトレーニングの必要性を語りました。DSC_2365 (640x452)● じゃあどんな心構えを持てばいいの?
連携での心構えとして、自身の弱みを認めて「自分を知る」、相手への興味関心を抱く「他人を知る」、職種や立場の違いを理解して相手に肯定的感情を持つ「違いを受け入れる」、相手の専門性の存在を許し認め合う「他者の価値や強みを認める」。地域の交流会に積極的に出席し、自分をオープンにしつつ相手の話にも積極的に耳を傾ける心得を指摘。信頼関係を深めるコツでは、情報の伝達だけでなく「ありがとう」「嬉しい」といった感情の交換や、電話、ファックス、メール、手紙、食事、地域イベントなどでの接触頻度を増やすなどを挙げました。杉下さんは「自分の事業所でコミュニケーションが取れていないと、他事業所との連携がうまくできない」と自身の事業所でのコミュニケーションの見直しを勧めました。【関連記事】
「県内初の重心児デイサービス『どりーむず』誕生」 2018年2月19日投稿:https://iwakikai.jp/blog/918/

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