当法人の職員がこのほど、山内クリニックの待合室でアカミミガメ(通称:ミドリガメ)を発見しました。山内クリニックの側には新川が流れており、職員の間では「歩いてきた?」「患者様に偶然付いていたのが落ちたのでは?」など様々な仮説が飛び交っています。ある職員は3年前の同じ6月にも新川沿いでミドリガメを発見したといい「繁殖しているのでは」と推測。ミドリガメは外来種で、環境省は在来種のカメや農業に被害が出ていると報告しています。いわき市環境企画課の担当者は「市内で現在、ミドリガメに関する被害報告は出ていない」と話しています。
● 待合室に5センチほどのカメ
当法人の訪問看護師が6月4日午後2時前、事務所側のドアを開けて待合室に入ろうとしたところミドリガメを発見。気づかず蹴ってしまい、滑っていったミドリガメは体長5センチほどの幼体でした。その時間帯は外来診療の時間外で待合室に患者様はおらず、発見者は「亀だ!」と驚き、受付職員と一緒に一時大騒ぎしたといいます。外から待合室に入るには2つのドアをくぐらなければならず、どう“侵入”したのか真相は闇の中です。
↑ミドリガメが見つかった現場。発見者が待合室に入ろうとしたところ蹴ってしまい、カメに気付いた
● 3年前にも近くの川沿いにミドリガメ
別の職員は2015年6月9日朝、新川沿いを歩いて通勤する途中にミドリガメを発見。体長は約10センチで、舗装された道を横切ろうとしているそのカメを写真に収めました。調査をしていないので実際は分かりませんが、その職員は「川で繁殖しているのではないか」と推測。山内クリニックに現れたカメも6月に見つかったので、繁殖期と重なるのか。国立研究開発法人国立環境研究所のホームページ(https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30050.html)によると、ミシシッピアカミミガメの産卵は4~7月で、孵化(ふか)の日数は65~75日程度。
↑山内クリニック近くの新川沿いで3年前に職員が発見したミドリガメ=2015年6月9日
● 外来種のミドリガメ 全国的には被害も
外来種のミドリガメが野放しにされると環境にどんな影響があるか。環境省のホームページによると、1950年代後半からミドリガメをペットとして輸入し、90年代半ばには年間100万匹にも上りました。ペットのミドリガメが野外に捨てられるなどして現在は全都道府県に生息。在来のカメとエサを巡って争い在来種に影響を及ぼし、レンコン畑のレンコンの新芽食害といった農作物被害もあるといいます。
● いわき市では現在被害報告なし
いわき市環境企画課の担当者は、仮に駆除をするにも現在どこに何匹生息しているかの調査も必要で、国や県の補助が無いと難しいといいます。ミドリガメは「特定外来生物」に指定されていないため捨てても違法にはならず、対策は一筋縄ではいかなそう。現在市内で被害の報告はないようですが、その担当者は「捨てないよう啓発するのは検討の余地がある」と話していました。
● 受付内の水槽で飼育 名前は「大吉」に
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㊤ 2018年2月23日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-413.html
㊦ 2018年2月27日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-414.html