いわき市の平地域包括支援センターがこのほど、初のサブセンターを中央台地区に開設しました。ログハウスの建物は会議やサロンが開けるほど広いオープンスペースを備えています。すでに住民から体操教室の場所として利用したい要望も受けるなど、地区の健康福祉の拠点としても期待されます。
● 大規模体制が特長のいわきの包括支援センター
いわき市内の地域包括支援センターを運営するのはNPO法人「地域福祉ネットワークいわき」。地域包括支援センターには、主任介護支援専門員(ケアマネジャー)、保健師、社会福祉士の計3職種の配置を国から義務づけられています。他市町村ではその3職種を1人ずつ配置したセンターを数多く点在させる「小規模」体制が一般的です。ですが全国的にも広域ないわき市は独自の運営法を模索し、広いエリアを1つのセンターが管轄する「大規模」体制を取っています。市内の地域包括支援センター数は7で、各センターに各職種の若手から経験者までを複数人配置しているのが特長。職員同士の情報交換や教育面の活性化にもつながっています。
● 地域に根差した拠点へ
サブセンターの設置は、中央台・郷ヶ丘地区の人口や平市街地からの距離を考慮して決められました。お年寄り人口が集積した地区に飛び出すことで職員は移動時間を短縮でき、地域住民と触れ合う機会が増えるのも期待されます。建物は木造2階建てログハウス。以前は首都圏の教会が震災復興支援の拠点として利用していました。1、2階の総面積は150平方メートル。1階にはカウンターキッチンが付いた約32畳のオープンスペースがあります。8人用ほどの大テーブルを置き、会議や地域住民のサロンにも利用できます。奥には事務所スペースのほか、プライバシーを確保した相談ルームもあります。ここでは職員5人が勤務。5月16日に開所式が行われました。
● すでに地域住民から要望や相談
当法人の職員3人は5月22日に訪問し、中央台サブセンターの保健師・武山幸恵さんの案内で見学。武山さんはすでに地域住民から要望や個別相談を受けていると説明しました。介護予防教室を開くため駐車場付きの会場を探している住民団体からセンターの利用の要望を受けたり、個別相談ではお年寄りから住宅改修の相談を受けたといいます。見学中、地元の民生委員が訪れて職員と情報交換する場面も。武山さんは「介護や障がい、権利擁護といった福祉の問題を抱えた住民が、ここに来れば解決の足掛かりを見つけられるという場所にしていきたい」と語りました。
● 夏には泉地区にも誕生
夏には市内2カ所目となるサブセンターが、小名浜地域包括支援センター管内の泉地区に誕生します。地域福祉ネットワークいわきの園部義博事務局長は、人口の集積や事務所からの距離を考えると、サブセンターは中央台と泉に2カ所といいます。園部事務局長は「まずは地域の皆さんに存在を知ってもらいたい」と民生委員やお年寄りにPRしていく考えを示していました。
【いわき市平地域包括支援センター中央台サブセンター】
住所:福島県いわき市中央台高久二丁目11-2
開所時間:午前8時半~午後5時15分(土・日・祝日除く)
電話:0246-38-5831
FAX:0246-38-5841
メール:cyuoudai-sub@road.ocn.ne.jp
担当地域:平山崎、平菅波、平荒田目、平鶴ヶ井、平下高久、平上大越、平下大越、平藤間、平神谷作、平下山口、平上山口、平沼ノ内、平薄磯、薄磯、平豊間、中央台、郷ケ丘、自由ヶ丘、若葉台