いわき市平地区の医療・介護関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」が、このほどオンライン上で開かれました。訪問看護師が多職種連携での支援事例を発表。参加者は質疑を通し、訪問看護師の役割などを考えました。
● 訪問看護の役割
医師、歯科医師、薬剤師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護職員ら31人が参加。8月18日に開催されました。発表者は「多職種連携〜訪問看護の役割について〜」と題して発表。訪問看護師の役割は、病気や障がいがあっても居宅で最期まで暮らせるよう主治医や多職種と連携して療養生活を支援すると説明。健康観察、療養生活のアドバイス、緊急時の対応などをし、点滴や注射などの医療処置、看取りなども行うと紹介しました。利用の手続きの説明もあり、そのために必要な訪問看護指示書の内容も示しました。
● 70代の患者様を支援した事例
事例発表では、意思疎通できるが寝たきりで、夫と娘と同居する70代女性を取り上げました。一時は老人保健施設を利用していましたが、女性は在宅生活を希望して自宅に帰り、訪問診療・看護の利用を始めました。血圧低下など体調の不安が多く、ご家族が不安を抱えていたといいますが、ケアマネジャーらが説明して安心感を与えました。訪問看護師は週2回訪問し、胃ろう挿入部の管理や膀胱留置カテーテルの交換、褥瘡(じょくそう)ケアなどを実施。理学療法士・作業療法士が週1回通ってリハビリも行っていました。
● 「様々な職種との橋渡し」
発表者はその女性を支援するため、多職種と情報共有した例を紹介。訪問入浴、薬剤師の訪問、福祉用具業者、福祉車両のレンタルといったサービスも利用し、連携していました。訪問入浴では血圧低下が懸念されていましたが安全に入浴できるよう情報共有。福祉車両のレンタルも安全に病院まで乗車する方法を一緒に考えたりもしました。看取りに向けてはケアマネジャーと連携し、ご家族にアドバイスをして不安を取り除いたりも。訪問診療・看護は、女性が休日に発作を起こした際に主治医の指示で注射をしたり、ご家族が介護を休むために一時患者様を預けるレスパイト入院した際には病院と情報共有して支援しました。発表者は、在宅療養を支えるために様々な職種が重要な役割を果たしていると話し「訪問看護師は医療のケアだけでなく、様々な職種の方々との橋渡しをしている」「今後も連携を強化して支援していきたい」とまとめました。
● 訪問看護師への質問
発表を聞いたケアマネジャーから訪問看護師の夜間対応についての質問に、発表者は夜間対応のケースをいくつか紹介しました。別のケアマネジャーから「ご利用者様に夜間対応など気軽に勧めて訪問看護師に迷惑にはならないか」という質問には、発表者は「急変の可能性がある方には何かあった時は24時間対応しますと言ってください」と伝えました。また「死期が迫って不安を抱える患者様にどう声掛けしているか」という質問には「話し掛けるというか、不安に思っている声を傾聴するのを心掛けている」と答えました。歯科医師から「在宅で口腔ケアが必要とするような頻度は?」という問いに、発表者は「入れ歯が噛み合わなく、そこから体調を崩す方もいます。早い段階から訪問歯科医に入ってほしいということはよくある」と話しました。医師からは、胃ろうのトラブルなどについてアドバイスできると呼び掛けもありました。
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<私が訪問看護師になろうと思った理由>
コスモス訪問看護ステーションで働く看護師は全員「病棟看護」からの転職です。
なぜ、訪問看護師になろうと思ったのか?というアンケートを取ったところ、このような回答がありました。
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・学生時代の話ですが、『カテーテルさえ管理できれば退院できるのではないか』と感じた患者さんがいました。訪問看護師として、お家での管理をお手伝できれば、自宅生活を叶えられるのではと思っていました。
・人生の最終段階を自宅で過ごしている方を直接お手伝いしてみたいと思ったから。
・療養病棟で勤務していた頃、本人の意思がわからない状態で患者さんを受け入れ、家族と医療者の話し合いだけで物事が展開されていることに疑問を感じていた。
・病院から退院して間もない生活が一番不安定であり、生活が軌道に乗るまでが一番看護の手を必要としている。患者さん本人はもちろんで、ご家族も大きい不安を抱えている。そこを訪問看護師としてフォローしたいと思った。
・医療者主体の看護ではなく、患者さんや家族主体の看護がしたいと思ったから。
・学生時代から、地域医療や在宅医療に興味があった。地域で暮らす患者さんの力になりたいと思った。
・訪問看護師として働く先輩から「向いていると思うよ」「楽しいよ」と誘われたのがきっかけ。
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・コスモス訪問看護ステーションの看護師はどんな想いで仕事に向き合っているのか?
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