作り過ぎた野菜などを募っておいしい手料理を提供する「いつだれkitchen(キッチン)」は、いわき市平地区の共助拠点「あらたな」内で毎週木曜、お年寄りや障がいを持つ方たちも含めた交流の場になっています。料金は原則無料で「投げ銭」。食品ロスの抑制、つながり・居場所づくりが期待されています。
● 障がい者も生きにくさを感じる人も一緒に
「いつだれキッチン」は先月からオープン。作り過ぎた野菜や食べられるのに廃棄される食材を募って食品ロスと食材費を抑えるとともに、温かい手料理を振る舞って「食」を通した交流の場を生み出そうと、障がい者や高齢者を支援するNPO法人「布紗」が運営しています。4月にオープンした「あらたな」には、障がい者の自立支援事業所「ソーシャルスクエアスポーツ」や、生きにくさを感じる人の居場所づくりをするNPO法人「明日飛(あすび)子ども自立の里」などが入ります。今後、引きこもりから抜け出そうとする利用者が昼食時に、自立訓練する障がい者や職員と接点を持って刺激を受けられる機会になるのも想定されます。料理するのは「布紗」の職員や管理栄養士ら。フードバンクに取り組む市内のNPO法人「ピープル」は、廃棄食品集めに協力しています。
● サバカレー、揚げ浸し、煮物…
このほどの「キッチン」ではサバカレー、カツオの揚げ浸し、フキの煮物など、いただき物で作った手料理が並びました。お客は使わなくなったいただき物の食器を手に、つくり立ての味を楽しみます。介護支援専門員(ケアマネジャー)の団体は打ち合わせ。「あらたな」内の職員や来客が交流していました。お客は食べ終わった食器を台所カウンターに下げ「返却口があった方がいいね」という声も。ピークが過ぎて落ち着くと、台所から「カレーそうめんつくったよ」という声が飛び、お腹いっぱいの人も別腹とばかりに口に運んでいました。
● 「連携の会」の会場にも
営業時間は午前11時半から午後2時ごろまで。いわき市平地区の「平在宅療養多職種連携の会」の会場としても利用され、医療・福祉関係者が交流を深めるのに一役買いました(※)。外出困難なお年寄りのために送迎を協力したいと名乗りを上げる社会福祉法人も現れたといい、実現すれば利用者がまた広がりそうです。
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「いつだれキッチンで開かれた平在宅療養多職種連携の会」 2019年5月25日投稿:https://iwakikai.jp/blog/976/
【いつだれキッチン】
開店日時:毎週木曜午前11時半~午後2時ごろ
場所:福島県いわき市平上荒川桜町1-1 「あらたな」内
料金:原則無料