体調不良や育児ストレスで悩む人をハーブティーで癒やしたい―。いわき市平地区のメディカルハーブコーディネーター・今泉奈津子さん(41)は自宅脇のアトリエで、訪れる方の悩みに耳を傾けその方に合ったハーブティーでもてなしています。お年寄りに安らぎを届けたいと介護施設をボランティア訪問し、ハンドトリートメントやハーブティーで交流したことも。現在は施設への訪問ボランティアをもっとやりたいと考え「ちょっとの間でもいつもと違う時間を楽しんでいただけたら」と話しています。
● 妊娠を機にハーブティーにのめり込む
今泉さんは妊娠した時、元々興味のあったハーブティーにのめり込みました。鎮痛や緩和といった薬理作用に気付いたといいます。出産後、仕事や育児で忙しくなり悩むようになります。「今なら『家族や職場の助けに甘えて、育児が一段落したら今度は自分が周りを助ければいい』と思えるけど、当時は仕事も育児も中途半端な気がして『周りに迷惑を掛けている』と思い詰めていた」と今泉さん。2015(平成二十七)年春に退職し、メディカルハーブコーディネーターの資格を取得しました。
● 趣味を「自分らしくいられる仕事」に
その後、ゆとりの時間をつくれるパートで働きます。当時は「自分の時間」や「自分の好きな事」を楽しむとは考えられず、ハーブは日常的に不調を抱えていた自分を癒やす趣味に過ぎませんでした。ところが、友人やその友人に紹介したところ好評で、あらためてハーブの効果を感じました。もっと多くの人にその魅力を伝えたいとオンラインショップを開設。反応が良かったため「自分らしくいられる仕事をしよう」と2017(平成二十九)年夏、自宅を拠点にメディカルハーブのお店「oluolu(オルオル)」として活動を始めました。翌年には自宅脇にゆったりと会話しながら試飲できるアトリエを構えました。イベントに出店したりハーブの無料相談会を開いたりするうちに利用者が増え、現在は午前、午後に1組ずつ受け入れ、ゆっくり悩みに耳を傾けてその人に合ったハーブティーを出しています。
● 若者からお年寄りまで 悩みに応えるハーブをブレンド
訪れる方は20~80代と年齢層が幅広く、ほぼ女性。アトリエ内には40種類のオーガニックハーブを常備し、その方の好む香りや望む効能を考えてブレンド。肉体疲労の回復にはハイビスカス、シソ、レモンマートル、ステビアを、血圧・糖の上昇を抑えるにはマルベリー、レモンバーム、リンデン、ルイボスを、妊娠を望む女性向けにホルモンバランスを整えるラズベリーリーフや体を温めるジンジャー、栄養豊富なネトル、ローズヒップ、ルイボスをそれぞれ組み合わせます。「眠れない」と悩むお年寄りも多いといい、「心配事がある」という方には気持ちが明るくなる、「興奮する」という方にはリラックスするハーブティーを提案します。
● 介護施設に訪問ボランティアも
かつて市内の社会福祉法人で働いていた今泉さんは介護福祉にも興味を持っています。「病気を治療することはできない。でも痛みを和らげたり気分を落ち着かせたりして、いつもと違う時間を楽しんでもらうことで気分のリフレッシュに繋がったら嬉しい」。介護に生かせるアロマ知識を持つ「介護アロマセラピスト」やハンドトリートメント検定トレーナーの資格も持ち、それを生かして介護施設に訪問ボランティアもしているそうです。心身ともに不調を抱えやすい方にこそ、ハーブのような自然療法が必要なのではないかと考える今泉さんは「求められればもっと訪問ボランティアもやりたい」と前向きに話していました。
【メディカルハーブのお店「oluolu」】
ホームページ:http://oluolu-herb.jp/
フェイスブックページ:https://www.facebook.com/oluolu.herb/
インスタグラム:https://www.instagram.com/oluolu_herb/
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「今泉さんのワークショップもあった『スクエア・フェス』」 2019年5月18日投稿:https://iwakikai.jp/blog/886/