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投稿:2019年06月14日更新:2022年12月26日

コラム - 岩井淳一

【コラム05・医療】「ういてまて」(医師・岩井淳一)

こんにちは。岩井淳一です。

先日、ときわ会看護師でサーファーの大垣さんが企画する「いわき市サーファーに向けた救助技術講習会」に参加してきました。この技術講習会は、海難事故で救える命をひとつでも増やすために、波をよく知るサーファー達が救助技術を学ぼうというもので、前回(2018年5月13日、四倉海水浴場にて実施)※1は海辺で心肺蘇生法を、今回はプールに入って実際に水に浮かんで待つ方法やボードを使っての救助法を体験しました。

 

 

※1・・・「安全ないわきの海をつくる!・サーファー対象の救助技術講習会」2018年5月22日投稿:https://iwakikai.jp/blog/362/

 

救急で勤務をしていると、毎年必ず水難事故による患者さんが運ばれてきます。夏だけでなく、お風呂での溺水事故もあります。救命できたこともあれば、悲しい結果になったこともあります。また、私自身、サーフィン中に流されたサーファーや海水浴客を助けたこともありますし、学生の時に冬にサーフィンしていて、港から出てきた漁船が高波をくらって目の前で転覆し、投げ出された乗組員を救助して海上保安庁に表彰されたこともあります(自慢)。

 

今回、水難学会による『ういてまて』の講義があり、非常に勉強になったので紹介します。

 

『ういてまて』とは

海などの水中で溺れたり流されたりしたら、衣服を着たまま、無理に泳がず、救助されるまで仰向けで力を抜き、大の字で漂流する対処法です。

 

・手足を大の字に広げる

・靴ははいたまま。スニーカーなどの軽い靴は浮き具代わりに。

・大きく息を吸い、空気を肺にためる。顎を上げて上を見る。

・手は水面より下に。ペットボトルなど浮くものがあれば胸に抱える。

 

 

実際にやってみると最初はなかなか難しかったですが、コツをつかむと浮かぶことができました。5分間浮かぶよう指示がありましたが、とても長く感じました。

我々の世代では学校で教えてもらうことはなかったですが、今は小学校の水泳の授業でも習うそうです。

 

浮いて待っている救助者を見つけた時は

・まずは118番(※2)、119番、110番

・周囲の人に溺れている人がいることを知らせる

・救命浮輪、ビーチボール、ペットボトル、クーラーボックスなどの浮くものやロープがあればつかまらせる

 

※2・・・海での事件・事故は「118番」へ。海上保安庁につながります。

 

ただし、主に海や流れのないため池などの静水域で有効と考えられていて、一般的に、川には流れがありますので、「浮いて待て」の状態を維持するのは難しいとされています。

 

今回の講習では、他にもサーフボードを使った救助法や、ライフセーバーによるレスキューボードでの救助法、海上保安庁(通称:海猿)による救助法などを学びました。

 

 

自分の大切な人の命を守るために、機会があればこのような講習会にも是非参加してみてください。

 

岩井 淳一

 

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