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投稿:2025年11月25日

山内クリニック 地域医療・福祉と多職種連携

1358. 不整脈について山内クリニック院長が講話・平在宅療養多職種連携の会

いわき市平地区の医療・介護・福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほどオンライン上で開かれました。同連携の会の山内俊明会長(山内クリニック院長)が「不整脈について」と題して講話。参加者は不整脈の知識を身につけ、疑問を確認し合いました。

● 速い、遅い、不規則な不整脈

今回は11月20日に開かれました。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリ職など32人が参加。山内会長は患者様に接した時に役立つ不整脈の見分け方の知識を伝えました。

脈が速くなる不整脈を「頻脈性不整脈」、遅くなる不整脈を「徐脈性不整脈」と、専門家はそれぞれ呼ぶと説明。速い遅いの基準は、安静時に一般的に60~90の間は問題ない、100以上、あるいは50〜40以下なら疑いがあるといいます。さらに、脈が飛んだりバラバラで不規則な不整脈もあるといい、速い、遅い、不規則が組み合わさる場合もあると解説しました。

● 不整脈の細かい名称

脈が速い場合、遅い場合、不規則な場合のそれぞれの不整脈で、心電図で見た時の分類名も丁寧に紹介。速くなる不整脈には洞性頻脈、心室細動、心房粗動、WPW症候群など。遅くなる不整脈には洞性徐脈、洞不全症候群、房室ブロックなど。不規則になる不整脈には心房細動、上室性期外収縮、心室性期外収縮、房室ブロックなど。これらの症状の特徴や注意点を一つ一つ解説していきました。

● 訴えが多い「動悸」

山内会長は、命が直ちに危険な不整脈としては心室細動で、AEDが必要な状態と説明。意識がなくなる不整脈のほか、患者様で訴えが多いという「動悸」も解説。不整脈の有無に関わらず動悸を訴えることもあるとし、動悸を自覚している時の心電図検査で確認しなければ分からないと説明しました。

治療が必要な不整脈と、必要がない不整脈についても解説。頻回に自覚症状があり日常生活に支障がある場合には発作性上室性頻拍などが疑われ、治療するといいます。意識消失して生活に支障がある不整脈は洞不全症候群、房室ブロック、命の危険性がある不整脈は心室性頻拍、心室細動で、それぞれ治療が必要になると説明しました。

治療が必要ない不整脈としては、動悸はあるが放置しても良い場合、緊張や運動で起こる洞性頻脈、自覚症状はあってもひどくない場合の上質性期外収縮を上げました。山内会長は「脈で分かるものでなく心電図で見なければ名前は診断できない」「おかしいなと思う場合はつないでほしい」と呼び掛けました。

● 質疑応答

参加者からは「WPW症候群と診断され『何かあれば来てください』と言われているが、『何か』とは何か」と質問。山内会長から専門的にアドバイスを受け、大きな異変がなければ問題ないのを確認。「頻拍発作、不規則な脈拍などの場合は検査を受けてほしい」と助言を受けました。ほかの参加者は、ペースメーカーの検査について質問。山内会長は「電池切れになる前に交換する必要がある」と話し、半年に1回、ペースメーカーのチェックを勧めました。

山内会長はあらためて不整脈の疑いのある患者様がいればつないでもらうよう呼び掛け、「これからもみんなでいわきの医療、介護を支えていきましょう」と感謝を述べました。

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