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投稿:2019年07月23日更新:2021年05月10日

多職種連携・地域連携

626. 「80・50世帯」 どう支える?・飯野地区地域ケア会議

生活困窮や虐待が課題とされるいわき市平・飯野地区の地域ケア会議がこのほど、飯野公民館で開かれました。80代の親が50代の子の生活を支える「80・50世帯」の事例を、参加した住民や介護・障がい福祉事業所の職員らが共有。生活困窮や障がいなどの複数のニーズを抱えた世帯をテーマに支援策を考えました。

 

 

● 「80・50」事例 80歳の母とアルコール依存症の長男など

本年度1回目の同地区地域ケア会議には区長、民生児童委員、居宅介護事業所、障がい福祉事業所、平地区保健福祉センター、平地域包括支援センターの職員ら約50人が参加。昨年度会議の内容が報告された後、発表者の介護支援専門員(ケアマネジャー)から「80・50世帯」に関する支援事例が紹介されました。取り上げられた世帯は、80歳の母とアルコール依存症の長男、軽度認知症の親と自殺をほのめかす無職の長男など。いわき障害者相談支援センターが80代の母と同居する無職長男を、医師やケースワーカーと連携して就労に結び付けようと支援している事例も共有。在宅の介護保険サービスの利用から離れるとケアマネジャーは直接的な支援が難しくなるため、近所の方やほかの専門職、事業所と情報交換した支援が大切だと確認されました。

 

● 家庭訪問 寝たきりの親に会えない現状も

グループワークでは8グループに分かれて「地域で心配な事例」と「地域でできそうな事」を議論。民生児童委員がある「80・50世帯」を訪ねたところ、寝たきりの親に会わせてもらえないという現状を共有。打つ手がなくそのままの状態だといい、グループから虐待の可能性も指摘され何ができるかを話し合い、地域包括支援センターと連携して見守りする案が出ていました。生活困窮の母と発達障がいの娘の世帯を、地域住民と地域包括支援センターが連携して就労につなげた支援の成功例のほか、発達障がいの育児に関して学校も交えて相談できる体制づくりや、要支援者リストと社会資源のマップ作りなどのアイデアも出ていました。

 

 

● 本年度はいわき障害者相談支援センターが主催

飯野地区地域ケア会議は、いわき障害者相談支援センターがいわき市地域自立支援協議会の北部地域会議の一環で主催。昨年度までの2年間は平地域包括支援センターが主催していましたが、「80・50世帯」といった「高齢者支援」だけでは解決できない課題が増え、本年度は「障がい者支援」の視点で企画されました。飯野地区ではこれまで、男性の孤立解消を狙った「男の料理教室」を開き、一人暮らしの80代男性が前向きになった例も。「つどいの場」で障がい者を講師に招いた講話も展開し、住民に障がいの理解を広めています。

 

 

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「去年の飯野地区地域ケア会議」 2018年7月10日投稿:https://iwakikai.jp/blog/832/