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投稿:2026年01月24日

地域医療・福祉と多職種連携

1370. 地域で行う心不全管理を考える・平在宅療養多職種連携の会

いわき市平地区の医療・介護・福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほどオンライン上で開かれました。心不全療養指導士の資格を持つ訪問看護ステーションの看護師が「地域で行う心不全管理」をテーマに講話。身近な人でも管理できるポイントを分かりやすく、参加者みんなで確認しました。

● 初参加者も多く参加

今年1回目となる今回は1月15日に開かれました。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリ職など33人が参加。今回は医療・福祉の事業所にも広く呼び掛け、初参加者も多く見られました。

● 「心不全パンデミック」

発表者は「心不全パンデミック」を説明。高齢になるほど心不全の罹患率が高くなるため、超高齢化に伴う心不全患者の爆発的増加をそう呼ぶと紹介しました。このパンデミックが起これば、医療機関がひっ迫して十分な治療が受けられなくなる懸念を指摘し「自宅で心不全を予防し、早期発見・治療に努めることが重要」と訴えました。

心臓のポンプ機能が弱くなる状態をいう「心不全」の説明や、息切れ・呼吸困難、むくみといった「心不全」の症状を解説しました。その後、医療関係者以外でも分かりやすい3つの観察ポイントを上げました。1つ目は「浮腫(ふしゅ)」で、入浴介助する際に腹部や臀部などを確認してほしいと助言。そのほか、生活動作での「ゼエゼエ」といった「息切れ・呼吸の荒さ」、軽い動きでの倦怠感による「活動量の低下」も注意をうながしました。

「こんな言葉を聞いたら注意」として「疲れやすい」「夜眠れない」「体が重い」「胸が重い」などを上げ、「加齢の影響だと誤解して高齢者は症状を訴えない場合がある」とも注意しました。

● 支援の5つのポイント

支援の5つのポイントも紹介。1つ目として「定期受診の継続」では、心不全は軽快すると症状が無くなるため「自己判断で通院を中断する場合が多い」と注意。2つ目の「血圧・体重測定と記録」では「退院時の体重から増加していないか、3日間で2キロ以上の体重増加はないかを確認するのが大事」とアドバイスしました。

3つ目のポイント「内服薬の管理」も重要と指摘。「心不全治療の基本は内服薬」といい、飲み忘れのないよう、訪問薬剤師や看護師の内服管理の大切さを伝えました。4つ目のポイント「活動」では、「心不全でも安静にする必要はない」と呼び掛けた上、食事、入浴といった動作を同時・連続でやる二重負荷にはならないよう、1つの動作後には30分程度休むようにとも補足しました。最後のポイント「食事」では、「塩分の過剰摂取は悪化につながる」と警告し、減塩の工夫もアドバイスしました。

● 「心不全手帳」

増悪時の対応では、「すぐ受診が必要な状態」、「早めの受診が必要な状態」、「定期受診まで経過を見て良い状態」の3段階の緊急度ごとに、それぞれポイントを説明。「安静時の呼吸苦」「横になると苦しいが座ると楽」「低血圧で意識が朦朧としている」という状態は、直ちに救急車を要請する緊急度と伝えました。

そのほか、訪問看護での役割や支援内容も紹介。いわき市医師会で作成し、同会のホームページからダウンロードできる「心不全手帳」も紹介。介護・医療職との情報共有や受診時に役立つポイントを紹介しました。発表者は「心不全の患者様は多いと思う。もし困り事があれば気軽に相談してほしい」と呼び掛けました。

● 質疑応答

聴講した地域包括支援センターの職員から「退院予定の心不全の患者様がいる。体重測定に気をつけて、心不全手帳を持っているかも確認したい」と講話での学びを共有。他の参加者からは「心不全の方が行っていい運動の程度は?」という質問に、発表者は、患者様の症状の具合にもより「医師の指示を受けてほしい」と慎重に答えながらも「しゃべりながら歩ける程度の運動はいい」と回答しました。循環器の山内クリニックの医師で、同多職種連携の会の山内俊明会長は「散歩中に会話ができる程度は大丈夫で、会話ができなくなったら休ませてほしい。力むような筋力トレーニングは止めた方がいい」と補足しました。

最後、山内会長が「心不全でない人でも予防法なども書いているので参考になる」と心不全手帳をアピール。「心不全の患者様はこれから多くなると思われる。心不全について少しでも皆さんに覚えてほしいです」と、この日の会を締めました。

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