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投稿:2026年03月03日

地域医療・福祉と多職種連携

1378. 障がい児者向けの口腔ケアを学ぶ・平在宅療養多職種連携の会

いわき市平地区の医療・介護・福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほどオンライン上で開かれました。歯科医師が「多機能型重心児者デイサービスでの口腔ケア勉強会」をテーマに講話。参加者は重症心身障がい児に行った口腔ケアを通してポイントを学びました。

● 「口を開けてくれない」

今回は2月19日に開催。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリ職など20人が参加しました。発表者は昨年12月、いわき市の特定非営利活動法人ままはーとが運営する多機能型重心児者デイサービス「どりーむず」で実施した口腔ケア勉強会について講話しました。

当日聞き取りした問診票の内容では、食事の取り方や誤嚥性肺炎の経験、偏食傾向などを15の質問項目で聞き取ったと紹介。この問診票の記入後に実施した個別の口腔ケアの指導内容も共有しました。

「歯磨きを嫌がる」「いつも嘔吐しやすい」「吸引の医療的ケアがある」といった問診結果を聞き取った1歳10カ月のケア事例では、「口を開けてくれない」という母親の訴えを受け、「口周囲のマッサージを行ってから開口させる」とアドバイスしたといいます。いきなり敏感な口周りに触れるのではなく、まず肩や腕から触り、顔、お口周りと順にマッサージして緊張をほぐす方法を共有しました。

● 「歯の着色が気になる」

食事中と食後にむせが時々あるという19歳の例では、母親から「上前歯の着色が気になる」という訴えを受け、「口を開けている時間が長いと、歯の表面が唾液でコーティングされず汚れを洗い流す作用がなくなる」と助言。ペースト状のおやつを経口摂取する21歳では、母親に歯ブラシの当て方を説明。歯磨きを嫌がる21歳の指導では、スタッフに「口を閉じやすい時は指で歯を触ると開けやすい」などアドバイス。勉強会で行った口腔ケアの指導をそれぞれ紹介しました。

● 歯磨きを嫌がる理由

勉強会で個別の口腔ケア後に伝えた総括も共有。歯の汚れやすいポイントを解説し、奥歯のかむ面、歯と歯肉の境目、歯と歯の間などを注意したと紹介。歯の磨き方も指導しました。

補足で、歯磨きを嫌がる大きな理由も解説。触覚刺激に過剰な反応を示す「触覚過敏」、過去の不快な経験による「心理的拒否」、反射的に噛み込んでしまう「緊張性咬反射」を上げました。過敏がある場合の対策として「脱感作」という過敏を和らげる方法も助言しました。

勉強会を振り返り、発表者は「利用者を対象とした研修会の場合は、事前に問診票を記入してもらいできるだけニーズに応えられるよう準備が必要だと感じた」と学びを共有。管理栄養士や言語聴覚士らと協力して食事指導も行えるようにするといいという気づきも伝え、まとめました。

● 口腔内の乾燥対策は

質疑応答では、地域包括支援センターの職員から「障がい者の歯科診療所はどこで開設されているか」という質問に、発表者は障がい児の診療を受け付けている歯科医を紹介しました。訪問看護師からの「高齢者患者の訪問で、口腔内が乾燥してケアできないご家族がいる。ご家族にどうアドバイスすればいいか」という質問には、発表者は「無理にケアすると拒否につながる。乾燥の対策が必要で、保湿剤を使ったり、ご家族が通っている歯科医に相談するのがいい」とアドバイスしました。

同多職種連携の会の山内俊明会長(医和生会理事長)も口腔ケアの質問をした後、翌月の案内をして今回の会を締めました。

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