いわき市の一大イベントの一つ「いわきサンシャインマラソン」(2月10日号砲)のゼッケンを出場者に届けるため、市内の障がい者がこのほど封入作業を行い、無事に郵送を終えました。ゼッケンや記念Tシャツのサイズなどが一人一人異なるため、封入物も一通一通異なる労力のいる作業。それでも職員の巧みな指導の下、障がい者がそれぞれの特性を生かし分業でこなしました。本番を待ち望む全国のランナー1万294人に絶対届けるという強い使命感と責任を持ち、職員が止めても働きたがる障がい者も。手掛けた山積みの袋を前に充実した表情を浮かべる障がい者は「頑張ってほしい」と“サンシャインランナー”にエールを送っていました。
● ゼッケン、記念Tシャツ… 1通1通異なる封入作業
市内9つの障がい者支援事業所に通う知的、精神、身体の障がい者約40人と職員約50人が汗を流しました。去年12月26日から平地区のみはま体育館で取り掛かり、今月19日に郵送を完了させました。作業内容は案内冊子、ゼッケン、記念Tシャツ、協賛企業のチラシなどを袋に入れてのり付け。ランナーによってゼッケン、Tシャツのサイズ、駐車券の有無が異なるため確認作業も必要で、細かく根気のいる仕事になります。担当職員は「慣れるまでは時間が掛かりました」といいますが、障がい者の得意不得意で役割を分けてからは徐々にスムーズになったといいます。
● 役割分担 できる仕事を
1月18日は障がい者と職員の各10人が作業。案内冊子やチラシなどを束にする、必要なサイズを確認し段ボールからTシャツを運ぶ、袋に詰める、封をする、といった封入作業が細かく分けられ、障がい者は自分ができる役割をこなします。ビニールで包装されたTシャツを折りたたむ係は、袋に入れやすいよう二つ折りにし、さらに押しつぶして空気を抜きます。みんな黙々と集中して手を動かしていました。
● 使命感持って作業 ランナーに「頑張って」
担当職員は「『そんなに早く来なくていい』と言ってもいつも30分前に来る人や、終了時間になっても作業を続ける人もいます」と、作業者の使命感の強さを感じています。作業に当たった障がい者は「夕方にランニングしている人をよく見かける。その人たちは出場するかもしれない」と自身が封入した袋がその方々に届くのを想像し、「頑張ってほしい」とメッセージ。「走り終わったら寒いだろうな」と、ゴール後の体調管理も気遣っていました。
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「障がい者施設で提供する製品カタログ『はんどめいど いわき』」 2018年5月10日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1050/