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投稿:2019年08月24日更新:2021年11月11日

多職種連携・地域連携

649. 動物(アニマル)セラピー お年寄りに安らぎ支援・「あいあい」代表の酒井さん

更新日:2021年11月11日

 

いわき市内郷地区の獣医師・酒井紀子さん(さかい動物病院)は、市内唯一の動物訪問ボランティア団体「あいあい」の代表を務めてアニマルセラピー※に取り組んでいます。高齢者施設をボランティア訪問することで、メンバーは愛するペットがかわいがられる喜びを味わえ、お年寄りは笑顔になれるという一石二鳥の活動。動物と触れ合うケアを届け、お年寄りに安らぎの支援をしています。

 

※アニマルセラピーとは

動物との触れあいによって、ストレス緩和、精神的な落ち着きなど人の心に癒やしを与えること。最近はペットとしても身近な動物である犬が「セラピー犬」として高齢者施設や病院を訪問することも多い。

 

訪問アニマルセラピーで愛犬を連れる酒井さん(左)=2019年7月16日、当法人ショートステイ

 

● 愛するペット みんなにかわいがってほしい

酒井さんは埼玉県出身で、犬とウサギを飼う家庭で育ちました。「子どものころの写真はほとんど動物と一緒に写っている」といい、物心ついた時からの動物好き。小学生のころにはすでに獣医師に憧れていました。その夢をかなえて千葉県内の動物病院で働き、結婚を機に1997(平成九)年、いわき市に引っ越して開業しました。「あいあい」を立ち上げたのは2007(平成十九)年12月。飼っていた犬が亡くなった時「もっと外に連れ出して、いろんな人にかわいがってもらいたかった」との後悔が設立の動機でした。施設を訪問してお年寄りを癒やすとともに愛するペットをかわいがってもらおうと、共感してくれた犬の訓練士やアニマルセラピー経験者らのメンバー5人でスタートしました。

 

 

● 動物も飼い手もお年寄りも笑顔

当初月1回だった訪問ペースは、今では週1回に。定期訪問先は主にいわき市内の10数施設で、南は勿来地区、北は広野町まで。当法人のショートステイにも昨秋から訪問してくださっています(※)。登録メンバーは30人弱までに増え、各自都合のいい日に毎回10人程度が“出動”。犬は大型が多いといい、種類はラブラドール、スタンダードプードル、雑種など様々です。酒井さんは「『動物好きじゃない』と言っていたお年寄りの方が、定期訪問するうちにかわいがってくれるようになるとうれしい」と語ります。飼い手側が喜びを感じられる一方、受け入れ側の職員からは「普段笑わないご利用者様が笑った」とよく言われるそうです。

 

※アニマルセラピーの記事

2018年10月17日投稿「ショートステイで初めてのアニマルセラピー」

https://iwakikai.jp/blog/594/

 

2019年7月29日投稿「犬や猫が高齢者の心を癒やす(2回目のアニマルセラピー)」

https://iwakikai.jp/blog/1529/

 

 

 

● 動物も人も幸せになれる社会に

動物を飼い始めたものの手に負えなくなって捨てないよう、酒井さんは飼い手の意識を変えていく必要性を感じています。そのためには、しつけの技術を養うのが大切。「あいあい」はメンバー同士でしつけの情報交換をしたり、ミニセミナーを開いたりしています。保健所で開かれる「しつけ方教室」の手伝いをすることも。さらに、動物虐待がきっかけで人間への虐待にエスカレートする可能性を指摘。動物をかわいがる社会になれば残忍な事件を少しでも防げるかもしれないと、情操教育を目的に子どもと動物が触れ合える機会をつくりたい思いも持っています。酒井さんは「動物も人も幸せに暮らせる社会にしたい」と目標を話していました。

 

【「あいあい」さんはメンバーと受け入れ施設を募集】

①メンバー募集

愛するペットを多くの人にかわいがってもらいたいという、訪問活動に興味のある人を募集しています。ペットに社会性を身に付けさせるしつけが必要ですが、その訓練方法をメンバーから教えてもらえます。

②受け入れ施設募集

動物と触れ合ってご利用者様を癒やしたいという施設も募っています。

 

<「あいあい」(事務局・さかい動物病院)の問い合わせ先>

電話:0246-26-2999

ブログページ:https://yaplog.jp/aiai-blog/

 

【関連情報】

「アニマルセラピーについて詳しく紹介している『NPO法人日本アニマルセラピー教会』のホームページ」:https://animal-t.or.jp/