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2017年08月23日

コスモス訪問看護ステーション 医和生会の研修・ケア事例発表

125. 長期看護 連携と工夫で完治・ケア事例発表会②~訪問看護師

医和生会グループの専門職が日ごろの看護や介護の成果を発表した21日の「ケア事例発表会」。医和生会コスモス訪問看護ステーションの訪問看護師は「低温熱傷のケアを振り返って~完治まで3か月」と題して発表しました。重い低温やけどを負った認知症の患者様を3ヶ月にわたって看護。ほかの専門職との「連携」と処置の「工夫」が実り、見事完治させます。2年目の訪問看護師は、患者様の「安心した」という声がやりがいにつながっていると語りました。

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● 深刻な低温やけどを負った認知症の患者様
訪問看護師が事例発表で取り上げた患者様は、要介護2の90代男性で認知症と2型糖尿病を患い、80代の妻と二人暮らししています。寝たきり生活することし2月、電気アンカの使用に気づかず、右足底と左外くるぶしに低温やけどを負います。右足底の傷の大きさは7×3.5センチで、やけどの深さを測る熱傷深度は水疱(すいほう)ができるⅡ度(浅達性~深達性)。訪問看護師は、皮ふの衛生を守る足浴と、適切な軟膏(なんこう)、テープでの処置のため毎日訪問しました。その度に患部の写真を撮り、医師や同僚看護師と相談しながら次回の処置を検討しました。

● 繰り返される試行錯誤
治療の経過具合を点数化しやけどの具合を客観的に測るため、治療期間中、傷の深さ、大きさ、炎症、壊死組織の有無など7項目で評価するツール「DESIGN(デザイン)」を使用。デザインが13点だった治療開始初日から4日目、壊死組織も見られるようになり17点に悪化。軟膏の検討、変更を試みるのと平行し、患部に圧力が掛かる足の姿勢と摩擦に課題を見つけます。対策でクッションを当てるも蹴られて失敗。24日目のデザインは26点と回復の兆しは見られず試行錯誤が続きます。話し合いで、傷に乾燥があるという問題点を見つけ、湿潤を保持するために家庭用水切り袋やラップ、ガーゼを駆使して患部を保護します。さらに、足首に巻く浮き輪を装着させて再度除圧を試みるも、嫌がられて失敗します。41日目にはデザインは24点になり、わずかな改善が見られました。

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↑事例で紹介した患者様の処置をする訪問看護師=2017年3月15日

● 担当者会議で新たなアイデア
転機となったのは、42日目に開いた担当者会議。家族や介護支援専門員(ケアマネジャー)ら専門職を交えて患者様の生活支援を話し合うこの会議で、訪問看護師は、除圧の失敗とベッドボードに患部が接触する問題を相談します。そこで圧力を吸収し摩擦の少ないエアマットレスの導入とベッドの長さを調整することに。その後は、傷口からの感染が原因とみられる発熱のため壊死組織の切開を行うなどし、77日目にはデザイン7点。107日目には1点となり、ほぼ完治しました。

● 工夫と連携で完治
訪問看護師は、完治の要因に「工夫」と「連携」を挙げました。水切り袋や中敷きを駆使して保湿や除圧のケアをし、医師、ケアマネジャー、同僚の看護師らとコミュニケーションを取って、薬や切開、福祉用具などの検討ができたと振り返ります。現在は再発しないよう週1回、訪問で看護しています。妻の認知機能の低下がみられるため将来の生活を考えつつ、今後も患者様や家族の意思を尊重しながら対応したいと話していました。

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● 「安心した」の声に喜びとやりがい
「コスモス」にはさまざまな疾患を抱える患者様が多いといいます。生活環境もさまざまで「配属当初は不安でした」という発表者。それでも「『来てくれてよかった』『安心した』という患者様の声に喜びとやりがいを感じている」と語り「小さな気づきの感性を磨き、その人に合った在宅生活を支えていきたい」と今後の目標を述べていました。

【医和生会の研修・ケア事例】
https://iwakikai.jp/blog/?c=%e5%8c%bb%e5%92%8c%e7%94%9f%e4%bc%9a%e3%81%ae%e7%a0%94%e4%bf%ae