医療や介護関係者の連携調整に応える新たな機関「在宅医療・介護連携支援センター」が4月1日、いわき市総合保健福祉センターに開設されます。県内6カ所目となる同センターの詳細がこのほど、市役所議会棟で開かれた市地域包括ケア推進会議「医療と介護連携促進部会」で明らかになり、委員は業務内容などの概要やPRの課題を共有しました。

●　市から受託する市医師会が運営
「市在宅医療・介護連携支援センター」は、在宅医療や介護の連携に関する相談支援をします。対象は医療や介護の関係者。市から受託する市医師会が運営し、場所は市総合保健福祉センター2階。職員は実務経験のある看護師と介護支援専門員(ケアマネジャー)の両方の有資格者と、医療ソーシャルワーカーの実務経験のある社会福祉士の有資格者を含めた計3人。主な業務は、相談支援のほか、「医療と介護連携促進部会」に出席して課題を共有し対応策を検討、「在宅医療リスト」の更新、「在宅医療推進のための多職種研修会」の開催、センターの啓発活動など。市、市医師会、各地域包括支援センターの間に入って連携調整をします。

●　課題はPR
3月20日に開かれた本年度3回目の「医療と介護連携促進部会」(※)で、市担当者がセンターの詳細を報告しました。対象は専門職者で、地域住民からの相談は今まで通り「各地域包括支援センター」が窓口だと確認。相談支援件数は、月11～16件という先進地の姫路市の例から、月約10件を想定しているとも伝えられました。主な広報手段は、案内文を関係機関に配布し、市と市医師会のホームページに掲載するとし「センターの存在を認識してもらうのが重要」と、委員にPRの協力を呼び掛けました。

※
超高齢社会に向け、住み慣れた場所で暮らし続けられる地域づくりを目指す「いわき市地域包括ケア推進会議」では、2015(平成27)年度から、「健康と生きがいづくり」「生活安全（認知症）」「医療と介護連携」の3部会、昨年度から「住まい」部会を設置して話し合いを続けています。市地域包括ケア推進課が主催。「医療と介護連携促進」部会では、在宅医療と介護の提供体制の構築や連携の相談支援、地域住民への啓発など8つのテーマで協議しています。本年度の委員は、山内俊明部会長(当法人山内クリニック院長)を含め15人（★）。

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委員は、各所属団体や各地の多職種連携の会、地域包括ケア推進会議などで周知すると確認。「1回ではなく長期的にやり続けるのが大切」という声も。「市内の訪問看護の受け入れ空き情報を集約できないか」という質問に、市地域医療課の担当者は検討していきたいと答えました。

●　「多職種研修会」　内容検討中
部会ではこのほか、毎年2回開催している「在宅医療推進のための多職種研修会」について、2019年度1回目は7月7日、中央台公民館で開催すると報告。さらに終了時間を例年より1時間早め、昼食時間を交流の機会に活用する案、ワールドカフェ方式を検討していく方針が示されました。

市のホームページで去年3月から公開されている「在宅医療・介護連携情報リスト」(※)について協議。医療や介護施設など対象が1296事業所あるうちの掲載率は65.4%で、委員は掲載率の改善策を話し合いました。

※「いわき市の在宅医療・介護連携情報リスト(市ホームページより)」：http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1522021375271/index.html

【いわき市在宅医療・介護連携支援センター】
開所日：2019年4月1日
相談受付時間：午前8時半～午後5時(土日祝日・年末年始は休み)
住所：いわき市総合保健福祉センター2階(福島県いわき市内郷高坂町四方木田191)
相談料：無料
目的：在宅医療・介護の連携に関する相談受付や連携調整、情報提供など
対象：医療や介護の専門職者
相談例：「在宅での緩和ケアや看取りを積極的に行っている医師が見つけられない」
「ケアマネジャーが一人だけの職場で、退院調整への関わりに不安がある」
「専門職として知識を深めたいのでこんな研修をしてほしい。他職種と関わるきっかけとなる研修を受けたい」

【関連記事】
「2019年度2回目のいわき市地域包括ケア推進会議『医療と介護連携促進』部会」2019年2月1日投稿：https://iwakikai.jp/blog/184/

＜市地域包括ケア推進会議関連記事＞
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