介護事業所等における人と組織のマネジメントの基礎を学ぶ「マネジメントスタンダードプログラム for Kaigo(MSP-K)」がこのほど、いわき市の「いわき芸術文化交流館アリオス」で開かれました。参加した介護事業所の管理者らはグループワークやVR(仮想現実)体験を通し、人手不足や人材育成といった課題を抱える中でどうリーダーシップを発揮し、魅力的な職場環境をつくり出すかの知識や心構えを考えました。
● 全国10会場で開催
「MSP-K」は首都圏で高齢者施設を運営する「株式会社シルバーウッド」(※)が厚生労働省の補助を受けて主催しました。介護事業所のリーダーに魅力的な職場環境をつくってほしいと、本年度は北海道から沖縄県までの全国10会場で開催。講師は同社代表取締役の下河原忠道さんが務め、マネジメントの原理原則やスタッフの個性を生かしチームをまとめる心得などを指導しました。台風で延期されていたいわき市では先月31日に開催され、主に市内の介護事業所の監督職ら約35人が参加しました。
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「MSP-Kの詳細(厚生労働省ホームページ)」:https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000552031.pdf
「シルバーウッドのホームページ」:http://www.silverwood.co.jp/
● チーム統率のポイントは?
下河原さんは介護現場でのチーム統率の重要性を訴えました。これからの介護業界のリーダーは「仕事の目的は何か?」「その仕事はなぜ大事か?」をきちんと部下に伝えられ「どうやってやるか」を考えるのはその次だと強調。「マネジメントの原理原則を理解する」を目標にした講話では、チームづくりの手法やスタッフ育成の目的などをテーマにアドバイス。グループワークでは参加者同士で互いのマネジメント観を共有しました。バーチャル・リアリティ技術を使ったVR体験では、利用者とスタッフの言い分で板挟みになる管理者を体感し、「マネジメントの原理原則」に基づいた対応策をグループで議論しました。
● 参加者の感想
参加して1週間後の当法人デイサービス職員は「スタッフのモチベーションを下げないよう、声を掛けるタイミングや掛け方を意識するようになった」とできる事から改善していました。また「『健全な判断』をするため『将来に対する見通し』の視点が自分に欠けていたと気付けたのがよかった」と振り返り。プログラムが6時間の長丁場でしたが「短く感じた」と話し「次があればまた参加したい」と意欲的でした。
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「VR認知症体験もあった『認知症多職種協働研修会』」 2019年11月27日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2771/
【関連情報】
来年度も全国で開催されるようで、詳しくは「シルバーウッド」まで。
ホームページ:http://www.silverwood.co.jp/
電話:047-304-4003
メール:msp@silverwood.co.jp