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2016年01月15日

コラム コラム - 岩井淳一 山内クリニック 救急救命

【コラム.26】年末年始の救急(医師・岩井淳一)

もういくつ寝るとお正月♪1年で救急センターが最も忙しくなるのがお正月です。そして、お正月に当直していると必ずやってくるのが高齢者のお餅による窒息の救急車です。厚生労働省の人口動態統計でも12月から2月は窒息事故の数が大きく増加し、死者は1ヶ月で1,000人以上、そのうち65歳以上の高齢者が80〜90%を占めています。老化現象は物を飲み込む力にもあらわれるため注意が必要です。航空内野のどの機能は加齢とともに低下します。歯が抜けたり、入れ歯になることで噛む力が低下します。口の中の感覚や下の圧力も落ちるため飲み込む力も低下し、唾液の分泌量が減少することで飲み込んでも喉に残る部分が生じやすくなります。また脳梗塞の既往がある人や、明らかな症状は出ていないが小さな脳梗塞がある人の場合、食事中に誤嚥(食物が気道に入ること)する危険が非常に高くなります。このように高齢者の嚥下機能が低下していることと、冬はお餅が覚めやすくて硬くなるため喉にくっつきやすくなることで、この時期に高齢者の窒息事故が増えるということです。

万が一、お餅を詰まらせてしまった場合

1. 意識がある間は咳を促す
2. 腹部突き上げ法(妊婦や幼児は背部叩打法)
3. 異物が取れる、もしくは意識が無くなるまで続ける
4. 同時に119番通報
5. ぐったりして反応が無くなれば迷わず心肺蘇生法を

まずはお餅を小さくして一口で食べられるサイズにする、よく噛んで食べるようにするなどの予防が最も大切です。良いお年を。

岩井 淳一

※この記事は、朝日サリー(2016年1月号)「ハートでクリニック」に掲載されました