「子育てを学ぶ会」が来年1月まで、いわき市内で毎月1回開催されています。母親の健康や、子どもの遊び、発育など多彩なテーマが学べる内容。本年度3回目の講座はこのほど平地区のイトーヨーカドー平店2階で開かれ、受講した母親らは「発達障がい」に理解を深めました。
● 2年目の取り組み
主催は子育て支援する一般社団法人「Wendy(ウェンディ)いわき」。昨年度に続いて2年目となる本年度は7月に開講し、来年1月まで計7回開かれます。講師は、医療創生大看護学部教授、防災士、管理栄養士、臨床心理士、保育施設や児童発達支援センターの管理者らが持ち回りで担当。10月以降のテーマは、年齢に合わせた遊び、乳幼児の食と栄養、言葉と感情の発達、問題行動を予定しています。3回目の講座は9月17日、「発達ってなーに?我が子の発達との向き合い方」と題して開催。講師は昨年度まで活動していた発達障害の家族会「スワンキッズくらぶ」の代表だった宗像広美さん(※1)が務め、地域の子育て支援者や母親11人が受講しました。
※1
「スワンキッズくらぶの最終イベント」2020年2月20日投稿:https://iwakikai.jp/blog/3460/
● 発達障がいを学ぶ
宗像さんは、「発育」と「発達」の違い(※2)を説明し「子どもは一人一人違った個性を持って、成長には個人差がある」と強調。発達障がいについて「脳機能障がいで親のしつけが原因ではない」「見た目は普通なので、周囲から変わり者扱いされやすい」「治らないが、早期発見して療育などすれば症状は改善する」「生まれた時には分かりにくく、発達過程で気付く」など特徴を紹介。自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)のタイプを、「ドラえもん」の登場キャラクターを例に分かりやすく説明しました(※3)。
※2 「発育」は身長や体重が増えて大きくなること、「発達」は生理・運動機能、知育・言語・情緒・社会性などの機能が成熟すること
※3 「発達障害とは(厚生労働省のホームページ)」:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
● グループワークも実施
宗像さんは発達障がいを持つ人との効果的な接し方についてもアドバイス。聴覚情報をすぐ理解しにくいため「視覚的な声掛け」や、共感・同調の心掛けを勧めました。「ちょっと待って」の「ちょっと」のような抽象的であいまいな表現の理解が苦手で、具体的に短く「1分待って」などと伝えるのがいいとも。「走らないで!」ではなく「歩こうね」と、否定せずに肯定的な声掛けの大切さも紹介しました。グループワークでは2班に分かれて自分自身や子どもの特徴を分析。ストレスケアに役立てるため、自分が不調になった時の“症状”や対処法などを見つめ直し、子どもがうれしい時やイライラする時などを確認して、参加者同士で発表し合いました。
「子育てを学ぶ会」の“姉妹企画”として、子どもの個性と才能を診断するISD個性心理学「あかもち」を学ぶ講座も同時期に市内7会場で開催しています(※4)。
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<記者のひとこと>
新型コロナウイルスの影響で春から多くのイベントが延期・中止となりましたが、少しずつ増えてきているように思います。「子育てを学ぶ会」も当初はWendyさん施設内での開催予定が、参加者が多かったために広い会場に変更にして開かれました。コロナ禍でも育児に関心のある方は当然いるんだとあらためて感じました。主催する側のコロナ禍でのイベント運営を想像すると不安はあるでしょうが、安全管理を徹底して地域の支えの場をつくる頑張りも感じます。先日、当法人施設の運営推進会議で介護福祉の関係者から「うつの相談が増えている」という声も聞きました。安全面を考慮しながら、住民のより所が無くならないでほしいと願います。(事業推進室・西山将弘)
<子育てを学ぶ会・チラシ>
【お問い合わせはWendyホームページ】
http://www.to-ho-net.co.jp/wendy/
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