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投稿:2020年10月27日

870. 障がいや育児に寛容な地域づくりへ・はまちる勉強会

障がいを持つ人も受け入れる寛容な地域をつくりたいと、いわき市内の障がい施設の関係者有志らがプロジェクト「はまどおりサポートちるどれん(はまちる)」を展開しています。地域住民らに障がいや育児などの理解を深めてもらおうとこのほど、初の「はまちる勉強会」を常磐地区の古滝屋でスタートさせ、来場者が「いわき市の障がいをもつ子ども達の現状」を考えました。オンラインでも参加できる毎月1回の計12回のプログラムを予定し、次回は11月に開催します。(記事末尾に詳細)

 

● メンバーは約20人

はまちる勉強会は、子どもや障がいを持つ方、性的少数者(総称・LGBT)などが暮らしやすい社会を考えるいわき市のグループ「はまどおり大学」と、常磐地区で放課後デイサービスを運営する「株式会社あんど」(※1)が共催。5年ほど前から活動している「はまどおり大学」はこれまで、虐待防止をテーマにしたトークイベントや、子育てスキルを高めるワークショップなどを開催してきました。はまちる勉強会は「公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」から助成を受けて企画。メンバーは、県浜児童相談所虐待対応専門員の菅波香織さん(はまどおり大学代表)や「あんど」代表・田子恵子さんのほか、主に「障がい」や「子どもの困り感」というキーワードに関心を持つ約20人です。

 

※1 「あんどが運営する放課後等デイサービスの紹介」2018年8月30日投稿:https://iwakikai.jp/blog/726/

 

語り手を務めた田子さん(中央)と聞き手の菅波さん(左)と藁谷さん

 

● 初回のテーマはいわき市の障がい児らの現状

初のはまちる勉強会は10月19日に開催されました。田子さんが「いわき市における障がいをもつ子ども達の現状」をテーマに講話し、菅波さんとヨガ指導者の藁谷弘子さん(※2)が聞き手を担当。来場者約30人とオンライン参加者10人が聴講しました。田子さんは自身で運営する放課後デイサービスでの気付きも織り交ぜ、障がい分野に関する地域の理解不足を共有しました。

 

※2 「藁谷さんが取り組むヨガ指導活動の紹介」2020年7月9日投稿:https://iwakikai.jp/blog/4275/

 

● 家庭と学校とのギャップ

田子さんは、良かれと不登校児を無理に登校させようとする学校がある一方、その強制によって先生を見ただけで発作が出る子がいるといい、本人・家庭と学校とのギャップを指摘。とはいえ、教諭が仕事後に福祉を学ぶ余裕はなく、関わり方で悩んで離職し、ほかの教諭はますます余裕がなくなる悪循環が「いわき市でも出ている」と、施設運営者側の視点で感じる教育現場の課題を挙げました。行政面では、障害福祉サービスを受けるための「受給者証」を申請する際、窓口で不必要に「障がい名」を聞かれるのに抵抗があって申請をためらう人もいるといい、地域の理解不足の課題を提起しました。さらに事業所間の連携面では、今年は新型コロナ禍で研修が激減し、課題を共有する場が無くなっていると懸念しました。

 

 

● つながりをつくりたい

母子世帯のためになるのは「手厚い給付」か「子どもをよく見てもらえる環境づくり」かの質問に、田子さんは「お金持ちでも一人で子育てはできない。母親は社会とのつながりや自分の価値を感じていたい」と回答。目指している地域について、田子さんは「事業所が孤立して悩みを抱えるのがつらい」とし「『はまどおり大学』をハブにして事業所や学校、地域につながりをつくりたい。障がいを持っても受け入れてくれる寛容な社会をめざし、『いわきは子育てがしやすい』と言われるようにしたい」と抱負を語りました。

 

<記者のひとこと>

「障がいに寛容な社会にするためにどうするか」。トークではその点にも触れられていました。地域に障がいの現状を伝えて社会に寛容さを広めたいという思いで、今回の勉強会がスタートしたいきさつでした。3年前のとある福祉イベントで「福祉は必要性に迫られないと興味を持たない」という意見が出たのを覚えています。福祉に関心を持ってほしいと粛々と情報発信をしている医和生会として、関心のない人に福祉の興味を持たせる壁の高さは感じます。勉強会関係者もその点は感じているでしょうし、それでも理想を信じて1人でも関心を持ってもらおうとコロナ禍でも企画し、実行に移したのだろうと察します。障がいに寛容な社会をめざす上で、伝え続ける気持ちと行動力は大切に思いました。(事業推進室・西山将弘)

 

【次回のイベント】

①はちまる勉強会11月「母子や障がいをもつ方へのヨガを通して感じる課題」

日時:2020年11月20日19:00~20:00

場所:古滝屋(福島県いわき市常磐湯本町三函208)

会場定員:30人

オンライン配信:あり

その他:マスク着用、離れて着席

問い合わせ・イベントページ:https://www.facebook.com/events/3381699718545622/?action_history=%22[%7B%5C%22surface%5C%22%3A%5C%22messaging%5C%22%2C%5C%22mechanism%5C%22%3A%5C%22attachment%5C%22%2C%5C%22extra_data%5C%22%3A%7B%7D%7D]%22

 

②はまちるフォーラム「困った子は困っている子」

日時:2020年11月28日13:30~16:00

場所:いわき市生涯学習プラザ4階大会議室(福島県いわき市平字一町目1ティーワンビル内)

予約:不要

参加費:500円(資料代)

オンライン参加(無料):ZOOM ONLINE(ミーティングID: 85281846272・パスコード: 561328)

その他:マスク着用、離れて着席

はまどおり大学ホームページ:https://hamadori-daigaku.com/

 

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<障がい>

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<育児>

https://iwakikai.jp/blog/?c=%e5%ad%90%e8%82%b2%e3%81%a6