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2021年07月07日

介護・ケア 認知症・成年後見

1010. 認知症の母の介護 5年間を振り返って・医和生会の吉田

医和生会(いわきかい)介護保険部長の吉田(56)は今春、5年ほど介護し続けた認知症の母親を亡くしました。夜の不穏行動などに悩まされながらも「本人が望んでいるだろう」と自宅での生活を軸に介護を続けました。仕事で忙しい中イライラして口論する日々もあったといいますが「(母は)自分の記憶が薄れることに不安を感じてイライラしていたのでは」と回顧。介護者がストレスを抱えるのに共感しつつ「忙しい中でも、認知症の方の不安に思いを馳せられる時間があれば、また相手を大切に思えるようになるのではないか」と振り返ります。

 

母(右)を5年間介護し続けた吉田

 

● 認知症介護の始まり

近くで一人暮らししていた母親の認知症にはっきりと気づいたのは2016年秋ごろ。食事を取れなくなったのか、急激に痩せ、買い物しても忘れてしまう状態でした。認知症特有の、大切な物を盗まれたと思い込んで訴える「物取られ妄想」も見られ、「ビデオデッキが無い」と1日に20回近く電話が掛かってきた日もあったといいます。当時は毎日朝と夕、母親宅に通って様子を見ていました。その2年後、母親は転倒して3カ月ほど入院。その間、吉田が住む自宅を改修し、退院後は一緒に暮らすようになりました。しかし、母親は夜1時間おきに「誰か起こして」と叫ぶこともあり、吉田は眠れない日が続いたといいます。

 

● 小規模多機能型施設を利用

デイサービスを利用しながら自宅での介護を続けた吉田でしたが、朝と夕方の送迎時間に合わせるため1時間の有給休暇を取って対応する毎日で、仕事で忙しい身としては困っていたといいます。介護支援専門員(ケアマネジャー)からの提案もあり、2019年夏からは小規模多機能型のサービスに変更。事業所には24時間職員がいるため、「仕事の時間に合わせて送迎できるようになった」と吉田。宿泊サービスも利用し、少しずつ自分の時間も確保できるようになりました。「話したことはなかったけど、(母は)施設入所を望んでいないはず」と、亡くなる今年4月まで小規模多機能型サービスを利用して介護を続けました。

 

● 「一緒にいよう」と続けた介護

介護による疲労、ストレスを感じながらも、最後まで介護を続けた理由は「良好な親子関係ではなかったが、決して嫌いなわけではなかった」と母親を想う気持ちでした。そして、「母をずっと一人にさせ、申し訳なかった」という負い目も。夜間何度起こされても、オムツ交換や排せつ介助をしなくてはならなくても、口論してイライラしても、「嫌だと思ったことは一度もなかった」。

昨夏、母親は高熱で入院。その後、言葉を発することができなくなり、会話が困難になりました。夜間の大声、暴言、口論…“母親の声”に悩まされたこともありましたが、「声を聞けなくなってからが一番寂しかった」とも。「最後まで面倒みてやるから長生きするんだよ」と声を掛けたら、母親は涙を浮かべたといいます。

 

母と一緒に外出した思い出も

 

● 「一緒にいてあげられてよかった」

吉田は「介護を受ける人は今までできていたことができなくなってイライラするし、介護する人は自分の時間を奪われ、思い通りにならない相手にイライラして、お互いがぶつかってしまう」と、自身の経験を語ります。「一緒にいることしかできなかったが、それでよかったと思う。忙しい中でも相手の不安に思いを馳せられる時間があると、また気持ちを新たにできると思う」と語っていました。

 

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