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投稿:2018年10月09日更新:2019年05月02日

417. 「つどいの場」づくりや「声掛け訓練」などに力・常磐・遠野地区中地域ケア会議

いわき市の常磐・遠野地区中地域ケア会議(※1)がこのほど、常磐公民館で開かれました。委員は「健康と生きがいづくり」「高齢者生活安全」「医療と介護連携促進」の3部会ごとの活動状況を共有。モデル地区を指定した「つどいの場」づくり活動や、認知症の理解を広める「声掛け訓練」などの取り組みに意見が出ました。

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※1 中地域ケア会議とは?
医療・介護・予防・住まい・生活支援の発展へ住民が支え合う地域づくりをめざそうと、国は2015年4月、市町村の努力義務として「地域ケア会議」の設置を法制化しました。これを受けていわき市は同年、「個別ケア」、「小地域ケア」、「中地域ケア」、全市レベルの「市地域包括ケア推進」の計4層の会議でつくる「いわき市地域ケア会議」を設置(★)。「中地域ケア会議」は全市レベルと学校区・行政区レベルの間の中間層に位置し、地区保健福祉センターが主催。市内には7地区ごとに設置されています。


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● 委員21人
本年度の常磐・遠野地区中地域ケア会議の委員は21人(※2)。今年1回目の会議は9月27日に開かれ、事務局が3部会の活動を報告しました。

※2
常磐・遠野地区中地域ケア会議の委員 (640x363)

● 常磐・西郷と遠野・上遠野で「つどいの場」づくり
一人暮らしの高齢者世帯の増加を受け、住民同士が支え合う「互助機能」づくりが必要だと立ち上がった「健康と生きがいづくり」部会では、常磐・西郷と遠野・上遠野の両地区をモデル地区に指定して「つどいの場」づくりに挑戦中。ターゲット層を「子どもからお年寄り」にし、参加者は「サービスの担い手にもなる」、場所は「地域の空きスペース」という方針を設定しました。内容の柱は「食」、「健康」、遊びや生活の知恵を孫世代に教える「伝える」、人の役に立つ視点での「生きがい」としました。会場は、常磐・西郷地区がオレンジ薬局脇の空きスペースの「いごくBOX(ボックス)」、遠野・上遠野地区が上遠野小学校。民生委員ら住民、医療、介護の専門職者でつくるワーキンググループを両地区で組織し、これまで各2回会議を開催しました。「いごくボックス」には調理器具やスロープがある、「上遠野小学校」は子どもの参加が容易といった強みを生かし、多彩なアイデアが報告されました(※3)。西郷地区は11月、上遠野地区は未定ですが本年度中にスタート予定です。委員は「つどいの場は地区によって活発さの温度差がある。管理、運営できる人を増やさないと続かないので、各地のつどいの場のリーダーにモデル地区を見学させて人づくりにも生かしてほしい」と意見を出していました。

※3 両地区のアイデア案のまとめ
(常磐地区)
常磐地区案 (640x459)

(遠野地区)
遠野地区案 (640x453)

● 「介護フェア」内で声掛け訓練実施へ
認知症になっても安心して生活できる地域づくりをめざす「高齢者生活安全部会」は、「認知症声掛け・捜索訓練」を企画しています。昨年度は第1ステップとして各地区で「認知症サポーター養成講座」を開催し、目標の400人を超える受講者536人を達成できたことも報告されました。第2ステップとなる「声掛け・捜索訓練」は10月13日、常磐公民館で開催される「常磐地区介護フェア」内のイベントで行います。内容は、地区内の認知症キャラバンメイトを講師とする「認知症講座」、不自然なお年寄りを発見した際の110番通報するコツを警察署員から教わる「通報訓練」、館内を歩き回る認知症者役のスタッフ3人に適切に対応する「声掛け訓練」の3つの構成です。通勤途中に迷子になった若年性認知症者役には駅の道を誘導し「一緒に行きましょうか」と優しく声掛けする、「家に帰りたい」と徐々に興奮するお年寄り役には根気強く話に耳を傾け落ち着かせる、といったエピソードと狙いを認知症者役は担っています。事務局はアンケートを取って改善させ、来年度はほかの地区にも広めたい考えを示しました。

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● 13日に常磐地区の介護フェア
「医療と介護連携促進部会」は昨年度に引き続き、本年度も介護フェアを企画(※4)。去年の振り返りの意見を踏まえて今年は、お年寄りの歩行を補助するボランティアスタッフの協力を得て、つどいの場のある地区を周知する分布図を準備するなどの改善が図られます。フェアは9月29日に遠野地区で行われ、今月13日午前10時半から常磐公民館で開催されます。フェア後の方向性について、医療や福祉、地域住民との連携に向けた課題の議論やエンディングノートの活用の見直し、孤立死が発生したため団地の高層階に住むお年寄りの支援検討、といった案が事務局から提示されました。委員は「病院ごとにアドバンス・ケア・プランニング(ACP・※5)に取り組んでいるが、退院後施設に移っても共有できるよう市全体のひな形を検討してほしい」と、別の委員は「終末期の意思決定の支援は話し合うプロセスが大事。患者、家族、多職種で話し合えるプロセスを考えるべき」などの意見も。実際エンディングノートを書いた終活講座の感想を共有した委員もいました。

※4
「昨年度の遠野地区の介護フェア」 2018年3月12日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-425.html

※5 アドバンス・ケア・プランニングとは(厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.htmlより)
もしもの時のために、自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって考え、医療・ケアチームなどと繰り返し話し合い共有する取り組み。
関連パンフレット:https://square.umin.ac.jp/endoflife/shimin01/img/date/pdf/EOL_shimin_A4_text_0416.pdf

● 来年度も「いきいき健康塾」開講
医療や介護の知識を学んだ地域住民のリーダーを育成する「常磐・遠野いきいき健康塾」は来年度に向けて3期生を募集すると報告。来年4月25日に入塾式を行い、翌年の3月まで計13回のプログラム案が提示されました。医師や薬剤師、リハビリ職らが講師を務め、認知症や口腔ケア、服薬、介護保険制度などをテーマにした幅広い講義の中には、手打ちそば体験や温泉入浴といった楽しいイベントも予定されています。

【関連情報】
いわき市地域包括ケア推進会議とは(いわき市ホームページ):http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000097/index.html

【関連記事】
<ケア会議>
18年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-39.html
17年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-35.html

<ほかの地区の声掛け訓練>
「平地区」 2018年9月14日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-559.html
「勿来・金山地区」 2018年3月14日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-427.html