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投稿:2021年09月22日更新:2022年12月26日

多職種連携・地域連携

1029. 身元不明の認知症 どう対応?・平多職種連携の会

いわき市平地区の医療・介護関係者らが情報交換する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほど、オンラインで開かれました。発表者である調剤薬局勤務の管理薬剤師が、身元が分からない認知症の方が来局した体験を語り、地域住民の助けで支援できた事例を共有しました。

 

● 地域で見守る重要性

医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリ職、介護職、地域包括支援センター職員ら38人が参加し、9月16日に開催。発表者は「私はどこに帰れば良いの?」という題で体験談を共有しました。自分の名前や住所が分からないという70か80代とみられる男性が来局。話をするうちに名前や住所を思い出し、発表者はグループの調剤薬局で共有するオンラインデータで検索すると合致。ですが住所は歩いてくるには遠すぎるエリアで現在は違う場所に住んでいると推察し、電話を試みました。するとそのエリアの地域包括支援センターにつながりましたが、土曜日で担当者が不在。警察に相談しようとしたところ、ほかのお客からその男性が近くの施設に入所しているかもしれないという情報がありました。その情報を元に施設に連絡すると、行方不明で男性を探していたところで無事に帰宅につながりました。発表者は「地域で見守るという重要性を痛感した」と感想を述べました。

 

● 参加者で対策出し合う

発表者は身元が分からない認知症の方が訪れた場合の対策を質問。参加した薬剤師は「その場合はいつも地域包括支援センターに連絡をして助かっている」と回答。別の薬剤師は、福島県内の医療機関がネットワークで結ぶ「キビタン健康ネット」(http://www.kibitan-k.net/detail/free_page.cfm?cl_id=2239)が発展すれば身元を調べやすくなるのではないか、と意見。介護施設の職員は、利用者の衣類の内側やカバンの中に名前を書くことが多い、と身元確認の手段を挙げました。訪問介護の職員は、訪問すると利用者がいなくなっていた事例を挙げ、事前に行きそうな場所の把握や近所住民への声掛けの重要性を共有しました。平地域包括支援センターの職員は、同センターは休日や夜間は対応できないのでその時は警察に連絡してほしいと話しました。

 

● 認知症のミニ講話

いわき市地域包括支援センターの認知症支援推進員の職員が、認知症をテーマにしたミニ講話をしました。認知症に気づいた場合、介護と医療の両分野からの支援の流れをまとめた「認知症ケアパス」(※)を紹介。「認知症に関する事業や取組への観点」についての講話では、「認知症施策推進大綱」を解説し「普及・啓発」や「若年性認知症施策強化」などを立てた5つの柱を紹介。いわき市の認知症施策も取り上げ、本人やご家族と一緒に行う取り組みが増え、事業が高度化していると話していました。

 

 

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