医和生会(いわきかい)グループの社会福祉法人「いわきの里」の職員がこのほど、いわき市立平第三中学校を訪問し、中学1年生に高齢者福祉の仕事を紹介しました。昨年に続き2回目の講話。生徒は熱心にメモしながら耳を傾け、質問もして将来の仕事に考えを深めました。
● 1年生22人に「高齢者福祉」の授業
平三中は「総合的な学習」で将来を考えるために職業を学んでおり、今回の講話は12月14日、外部から特別講師を招いて1年生の授業で行われました。特別講師はいわき市内の高齢者福祉、アパレル、自動車販売、幼稚園、消防署、理美容、観光の計7業界から招かれました。「高齢者福祉」の“先生”は、同中の近くにある「地域密着型特別養護老人ホームひなた」を運営する「いわきの里」が選ばれ、村井弘理事と畠山勲施設長が特別講師として訪問。同中の全1年生158人のうち、「高齢者福祉」に興味を持った22人に授業しました。
● 「ハッピー×ハッピーの仕事」
畠山施設長は「福祉」の仕事について「『福』も『祉』も幸せを意味する。つまり福祉は子どもやお年寄り、障がい者を『ハッピー×ハッピー』にする仕事だ」と説明。「いわきの里」の運営施設を例に、入所施設と通所施設の違いを解説。生徒からの事前質問で「普通の老人ホームとの違いは何?」という問いに、一般的な老人ホームはどこのお年寄りでも100人近く受け入れる一方、いわきの里の「地域密着型」の施設はいわき市民に限り30人弱を受け入れている、と利用者の対象と数の違いを回答。ご利用者様の入浴の工夫、居室の広さに関する事前質問にも、写真を交えて説明しました。
● 3人に1人は高齢者
畠山施設長は「この数字は何か?」というクイズも出題。いわき市の人口(2019年度)が答えの「340,205」という数字を当てられた生徒はいませんでしたが、「104,642」という難題には生徒1人が挙手し「(いわき市の)お年寄りの数」と正解し、みんなが拍手。畠山施設長は「いわき市の3人に1人は高齢者」と深刻な高齢化を説明し「福祉はたくさんいるお年寄りを幸せにする」「そこに人がいる限り福祉は必要であり続ける仕事」と、あらためて福祉業を紹介。事前質問の「介護と看護の違いは何?」という問いに「看護は病気やけがのサポートで、介護は生活のお手伝い」と回答。生徒は「うんうん」とうなずきながらメモを取っていました。
● 介護職員の1日の密着動画
5年目介護職員の1日を密着した動画も紹介。出勤から、職員間の申し送り、ご利用者様の荷物チェック、お昼の食事介助、レクリエーション、夕食、歩行介助といった業務を経て退勤までを撮影した内容。ご利用者様の耳が聞こえる側に座って食事介助する工夫、手すりがない場所では補助して歩行する介助など、プロの介護職員の“技”も見てもらいました。動画の最後、密着を受けた職員は「介護はおじいさん、おばあさんに寄り添えて、辛い大変なイメージはない。(ご利用者様から)楽しい話も聞けるし、とても素晴らしい仕事です」と笑顔で呼び掛け。上映後、生徒から大きな拍手がおこりました。
● 介護の仕事に向いている人は?
ブレイクタイムで、村井理事が認知症予防の体操を指導。両手や手足を異なる動きで同時に動かす「コグニサイズ」をみんなで体験し、生徒は「えー」「分からない」など悪戦苦闘しながら頭と体を体操。村井理事は「おじいちゃんやおばあちゃんにも教えてあげてほしい」と呼び掛けました。畠山施設長は事前質問の回答として「介護施設で働くには資格は不要で、高齢者を幸せにしたい気持ちが大事」と話し、さらに3つの介護資格を紹介。ご利用者様の笑顔の写真を見せて「『笑顔を見て心がほんわか温かくなる人』『助けてあげたいなと考えがちな人』『感謝されてうれしい人』が、介護の仕事に向いている」とも。「人が好きな人は続けられる仕事です」と伝えました。
● 「介護を体験して楽しさを経験したい」
生徒からは「動画では女性職員が多かったですが、男性職員もいますか?」という質問。畠山施設長は「いわきの里では10人中3、4人が男性。看護課長は男性です」と回答。そのほか、生徒2人から資格に関する質問が出ました。最後、代表の生徒は「福祉はご利用者も介護者も嬉しくなる『ハッピー・ハッピー』の仕事だと思った」「3人に1人は高齢者だと知って驚いて、介護施設の必要性を感じた」「介護の仕事を体験して楽しさを経験したい」などと感想をまとめて話してくれました。
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