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投稿:2022年02月16日更新:2023年11月25日

山内クリニック コラム - 岩井里枝子

花粉症とコロナの見分け方とは?(医師・岩井里枝子)

「鼻水が出るけど花粉症のせいだろうと思っていたら、コロナだった」というのは、めずらしいことではありません。花粉症とコロナ、見分けるポイントはあるのでしょうか?医師に聞きました。

 

Q.1「花粉症」と「風邪」を見分ける方法はありますか?

A.1 症状だけで完全に見分けることはできません。

〔解説〕花粉症の症状は「鼻水・鼻づまり・くしゃみ※1」や「目のかゆみ※2」が一般的です。ほかにも咳・頭痛・倦怠感(だるさ)など風邪と似た症状が現れる方もいるので、完全に見分けることは難しいです。ただ、「季節」と「環境」で多少区別することはでき、例えば「(スギ花粉が多く飛散する)春に外に出ると症状が悪化し、窓を閉め切った室内だと症状が落ち着く場合は花粉症」という考え方はできます。

※1…医学的には「季節性のアレルギー性鼻炎」

※2…医学的には「季節性のアレルギー性結膜炎」

 

Q.2「風邪」を疑ったほうがいいのは、どんな時ですか?

A.2 急な発熱、強い倦怠感が現れた時は注意しましょう。

〔解説〕Q.1で述べたように、症状だけで見分けることは難しいですが、急な発熱(37.5℃以上)や強い倦怠感(だるさ)が現れた時には、風邪を引いた可能性がありますので、休養を取るなど様子を見るようにしましょう。もし、もともと花粉症ではなかったのに、「突然花粉症の症状が現れた」という場合にも注意が必要です。「目のかゆみ」も花粉症に多い症状なので、「目のかゆみを伴わない花粉症に似た症状」という場合には、注意しましょう。

 

Q.3花粉症が原因で、風邪をひきやすくなることはありますか?

A.3 あります。

〔解説〕花粉症は「花粉」というアレルギー物質に、鼻やのどが敏感に反応している状態、つまり“傷つきやすい状態”でもあるので、ウイルスなどにも感染しやすくなります。また、鼻づまりによる口呼吸が原因で、のどが乾燥し、のどが痛くなる症状や、鼻水の量が増え、鼻水がのどの奥におりて、咳が出る症状※など、風邪と同じような症状に悩まされる方も多いです。一般的に、花粉症で「のどの痛み」が現れる方は少ないと言われています。

※…後鼻漏(こうびろう)と言う。長引く風邪や花粉症によって発症しやすい。

 

Q.4 「透明でサラサラした鼻水=花粉症」「緑色のドロッとした鼻水=風邪」という考え方は?

A.4 風邪の引き始めでも、透明の鼻水が出ます。

〔解説〕緑色の鼻水は、風邪の原因であるウイルスや細菌と闘っている証拠です。そのため、「透明でサラサラとした鼻水=花粉症」「緑色のドロッとした鼻水=風邪」という考え方もできます。しかし、風邪の引き始めも透明でサラサラとした鼻水が出るので「透明の鼻水=花粉症」とは言い切れません。最初は透明でサラサラとした鼻水でも、2~4日で緑色のドロッとした鼻水に変わってきたという場合には、風邪の可能性が高まります。

 

Q.5 風邪のような症状に悩まないために、花粉症の人は何に気をつけたらいいですか?

A.5 花粉症の症状を悪化させないようにしましょう。

〔解説〕外出時にはメガネやマスクを着用する、家に入る前に花粉を払うなど、花粉に触れないことが大切です。また、症状に合わせた薬を花粉症シーズンに入る前から服用することで、重症化を防ぐことができます。Q.3で述べたように、花粉症が原因となって、「のどの痛み」「咳」に発展する場合はありますし、花粉症と風邪を併発する場合もありますので、こじらせないように注意しましょう。

 

Q.6「花粉症なのか、コロナなのか見分けがつかなくて不安」という方にアドバイスをお願いします。

A.6 症状だけで完全に見分けることはできないので、何事も決めつけないことが大切です。

〔解説〕「花粉症の症状だと思っていたらコロナだった」「鼻水やくしゃみが出るから仕事を休んだ方がいいの?」などという声も聞こえてきます。完全に見分けることはできないですが、Q.1と、こちらを参考にしてみてください。

 

▶目のかゆみ:【花粉症】多く見られる 【コロナ】ほぼなし

▶発熱:【花粉症】ほぼなし 【コロナ】多く見られる

▶発症の期間:【花粉症】長引く(数週間) 【コロナ】数日で突然発症

▶アレルギー薬の効果:【花粉症】症状が落ち着く 【コロナ】症状が変わらない

▶臭い、味:【花粉症】鼻づまりがひどくてわからない 【コロナ】鼻づまりはないのに、わからない

<その他>

①鼻水、咳などの症状+同居家族や職場等で、感染者との接触があった

②鼻水、咳などの症状+感染リスクが高い行動をした(大人数で会食した、人混みに行った)

これらの2点に該当する場合は、コロナに感染した可能性が高いと言えます。

一度、医療機関に相談しましょう。検査対象となる場合もあります。

 

 

 

(この記事を書いた医師・岩井里枝子)

 

(岩井里枝子医師プロフィール)

金沢医科大学卒業後、総合磐城共立病院にて初期研修。金沢城北病院勤務を経て、平成27年より山内クリニック勤務。家庭医療専門医として、家族・病気・健康問題などをひっくるめて患者さんに寄り添い、乳幼児から高齢者まで幅広く診療にあたっている。木曜午後は小児予防接種を担当。

詳細は医師紹介ページ

 

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