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投稿:2023年06月30日

研修会・勉強会 多職種連携・地域連携

1193. 住宅改修での自立支援を学ぶ・平在宅療養多職種連携の会

いわき市平地区の医療・福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほど、オンライン上で開かれました。作業療法士が認知症の方を住宅改修で自立支援する事例を発表。参加者は環境を変えて生活の質を高める取り組みを学びました。

● 民生児童委員が関わった事例紹介
医師、歯科医師、薬剤師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリ職、介護職員など40人が参加し、6月15日に開催。発表した作業療法士は「作業療法士が環境を整える時に気をつけること〜パーキンソン症状や認知症の方」と題して講話しました。事例紹介の前に、大学の教科書にも載っている分子病理による認知症の分類や、日本の認知症で一番多いというアルツハイマー型、パーキンソン病について解説しました。

● 手すり設置で改善
住宅環境の改善例も紹介。パーキンソン症状の方は手すりのニーズが多いといい、廊下や階段に手すりを取り付けた実例の写真を共有。階段の段差にはすべり止めと縁に目印を付けて踏み外しを予防する工夫も紹介しました。梅雨や冬にデイサービスを休みがちになる独居のお年寄り宅の事例も紹介。理由を探ると玄関前に滑りやすい石畳があり、外出する時は庭木をつかんでいたのに気づき、手すりをつけることでデイサービスに通えるようになったといいました。

● 住宅環境を変える
認知症の妻と二人暮らしの認知症の90代男性の事例では、寝室が2階、トイレが1階の住宅環境を取り上げました。夜間のトイレ頻回があり、介護支援専門員(ケアマネジャー)から寝室を1階にしたいという提案を受けたといいます。しっかりと状況を聞き取りした後に自宅に訪問。会話する時の動きや趣味を紹介する時の動きなどを細かく見ながら、困り事を聞き取ります。「作業療法士は情報収集が得意な専門職」とも。1階でソファーを見つけ、ヘタリ具合を観察、ここにベッドを置いてみては?と提案しました。最初抵抗があったご家族もすっかり受け入れ、寝室を移動できました。発表者は、本人が馴染んでいるものを大事にして違和感を出来るだけ少なくすることと、生活の延長になるように工夫することを大切にしていると話しました。

● 環境調整はリハビリ
発表者は、「環境調整は最高の自立支援だと思い、面白みを感じている」「環境調整は広い意味でのリハビリ」と話しました。日本作業療法士会はじめ各県士会では、福祉用具貸与や環境調整も作業療法士の専門性であるとの考えをもって動いているとの話もしたほか、早めの環境調整で自立支援が証明され、(介護認定前でも?)自治体独自に費用が給付された例もあると紹介しました。

● 住宅改修を断られたら
発表を聞いたケアマネジャーは、パーキンソン病の方で住宅改修を勧めても「お金が掛かる」「手すりを付けたら自分たちが亡くなった後に家を売ることができなくなる」と断られるという悩みを相談。発表者は同様に断られることがあるといい、それでもうまくいった方法を紹介。しっかりと聞き取りをして危険な場所を絞り込み、本人が困って必ずここが大事だという場所を見つけたら「レンタルのデモ品です」と試してもらうと、環境を整える大切さを自覚してもらえるといいます。その方は何事も無かったかのように今は手すりを使って生活していると話し、「(理解してもらえるのに)時間は掛かると思いますが、何かの時はご相談に乗ります。」と呼び掛けました。

● 住宅改修の心得
薬学を学ぶ大学生は住宅改修に失敗した場合はどうなるかの質問で、発表者は「生活が続かない。そうならないためにも、慣れている居心地がいい場所を見つけ、本人の違和感がないように、馴染めるもの、リラックスできるようにすることに一番気をつけなければならない」とアドバイスしました。事例発表後は、オンライン内で複数の小グループに分かれてコミュニケーション。終了後も有志がオンライン上で残って交流を続けて親睦を深めました。

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