子どもからお年寄りまで楽しめる脳を使ったエクササイズの「ライフキネティック」。公認インストラクターの藤木泰寛さん(32)は、勤務するいわき市の障がい福祉サービス事業所「ソーシャルスクエア」の利用者に指導して、効果があるとされる集中力の向上などに役立てています。地域住民にも指導し始め、活動の幅を広げています。
● 運動と脳トレを組み合わせたエクササイズ
ライフキネティックは運動と脳トレを組み合わせたエクササイズ。動きの「切り替え」「複合化」「円滑化」が考慮され、さらに目のトレーニングが組み込まれた運動といいます。4歳以上なら誰でもでき、提供するメニューの難易度を参加者に合わせることで体の不自由な方でもお年寄りでもできるのが特徴。発祥地のドイツではサッカー代表チームも導入するなど運動能力の向上が期待されるほか、学習能力や集中力の向上にも効果があるとされています。
● 自立訓練する利用者に生かせそうと決意
藤木さんは「ソーシャルスクエア」で自立訓練を担当。障がい者が自分で日常生活を送れ対人関係をつくれるよう支援しています。ライフキネティックを知ったきっかけは、スポーツトレーナーとして活動する同級生からの紹介。自立訓練する利用者にも生かせそうだとインストラクターになろうと決意し、今年4月に資格を取得しました。取得後すぐ利用者を相手にトレーニングを実施。藤木さんは「『楽しい』と言ってもらえて反応もいい」と話します。
● 「できないのが普通」
地域住民にも知ってもらおうと5月からイベントにも出演しています。NPO法人「ソーシャルデザインワークス」が主催した「スクエア・フェス」では子どもや障がい者たちに指導(※1)。3色のボールを使って参加者同士の名前を覚えるキャッチボールや、1~4の言われた番号に合わせて決められたポーズを取る運動を紹介しました。慣れるとキャッチボールする球の数を増やすなど複雑にします。藤木さんは付いて来れないペアには難し過ぎない内容に変更して調整。さらに「できないのが普通。慣れてできてしまうと脳に刺激がいかない」とフォローも心掛けていました。同月の「平在宅療養多職種連携の会」でも講師を務め、自己紹介を兼ねた運動を指導して初対面の参加者同士がすぐ打ち解けられるよう一役買いました(※2)。
※1「スクエア・フェス」 2019年5月18日投稿:https://iwakikai.jp/blog/886/
※2「平在宅療養多職種連携の会」 2019年5月25日投稿:https://iwakikai.jp/blog/976/
● 参加者に合わせて難易度調整
藤木さんは、歩くのが難しいお年寄りや障がい者にはいすに座ってできる、集中力が切れやすい子どもには難易度が低く楽しくできるメニューを準備し、参加者に合わせて内容を変えていきます。本番でも柔軟に対応し、飽きてきた空気を感じたら別のメニューに変更。「できている人にはもっと難しく、できない人には声を掛けて能力を見極める。レベルの調整力がインストラクターの腕の見せ所」と説明します。そのため日々、新しいトレーニングメニューを自分で作成してストックしておきます。藤木さんは「ライフキネティックは誰でもできる。もっと多くの方が体験できるよう、いつか一般向けの教室を開きたい」と目標を話していました。
【関連情報】
「藤木さんがライフキネティックを教えている『ソーシャルスクエアスポーツ』」:https://socialsquare.life/square_list/04-iwaki/
「ソーシャルデザインワークス フェイスブックページ」:https://www.facebook.com/NPOSDWs/
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