いわき市平地区の医療・介護・福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほど、オンライン上で開かれました。介護支援専門員が対応に悩んだ事例を報告し、ケース検討を行いました。
●多職種であらためて事例を見つめる
医師、歯科医師、薬剤師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護職員など42名が参加。5月16日に開かれました。要介護状態の利用者を取り巻く家族の課題に真摯に向き合った体験を共有。参加者からは、報告者へのねぎらいが多く聞かれました。また、自らの実践に重ね複合困難事例への向き合い方についての悩みを打ち明ける声もありました。
●複合困難ケース対応の課題
報告者は事例を振り返り、「高齢者を支援する介護支援専門員は利用者だけでなく、その家族の複合的な課題に直面することが増えている。」とも述べ、高齢者の自立支援を目的にした介護保険制度が広くサービスが浸透している一方で、ケアマネジャーや介護サービスに社会全体が依存しているのではないかとの課題をあげた。複雑多様な課題を持つ住民支援では介護保険サービスのみでは対応しきれない。高齢、障がい、育児、虐待などをまとめて丸ごと受け止める窓口を作れないかといった意見も聞かれました。
●仲間とともに
最後に報告者は「介護保険サービスだけでは解決が難しいケースで、疲弊しそうになる気持ちを切り替えて真摯に向き合えたのは、仲間の存在が大きかった。」とし、支えてくれた仲間への謝辞を述べました。
山内俊明会長(山内クリニック院長)は何が正解かわからない、答えが出ないことがあっても皆で情報を共有し、知恵を出し合うことが大切とし、報告者へねぎらいと多職種でのさらなる協働体制構築を呼びかけました。
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