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投稿:2019年01月05日更新:2021年12月13日

医和生(いわき)会全体

483. 高血圧に注意!・市健康推進員の研修会で山内院長講話

「市民の健康づくり」を推進するため、地域でボランティア活動を実践する「いわき市健康推進員」の育成支援研修会がこのほど、市総合保健福祉センターで開かれ、当法人山内クリニックの山内俊明院長が「心臓を守るために生活習慣で心がけること~高血圧をはじめとする循環器疾患の病気の理解と予防」をテーマに講話しました。参加した推進員約65人は、血圧や心臓に関する健康面の注意を確認しました。

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↑高血圧をテーマに講話する山内院長

● 死因上位にくる高血圧
高血圧について語った山内院長は、非感染症疾患と外因による日本の死亡原因で、喫煙に次いで2番目に高いのが高血圧だと説明しました。病院だと緊張して血圧が上がる「白衣高血圧」や、その逆で落ち着くはずの自宅で高い数値になる「仮面高血圧」を紹介。「仮面高血圧」は危険だと警告し、自宅で定期的に血圧を記録する大切さを訴えました。糖尿病や尿たんぱく陽性などをのぞく75歳未満の一般的な患者の指標として、自宅で1週間程度測った血圧の平均値が「135/85」を下回れば良好だと目安を示しました。心血管病を招く恐れのある高血圧を防ぐため、減塩、減量、適度な運動、節酒などが効果的だと呼び掛けました(※1)。

※1
図1 (640x470)

● 心房細動 脳梗塞の原因にも
山内院長は心房細動についても解説。心房が細かく震える不整脈の一種で、血栓ができやすくなって脳梗塞(こうそく)の原因になると注意。60歳ごろから急増して80歳を超えると10人に1人が発症すると語りました。脳梗塞を予防するには服薬治療の継続が大切だと呼び掛け、5種類の抗凝固薬を解説しました。さらに心不全の説明では、低下した心機能が回復するのはほとんどないとし、自宅生活できる落ち着いた「慢性心不全」、入院が必要となる「急性心不全」を交互に繰り返すうちに寿命が低下してしまうと語りました。要介護状態になる手前の虚弱状態を意味する「フレイル」も紹介(※2)。「わたしの想いをつなぐノート」(※3)を参加者に配り、自身や家族が望まない治療を受けずに思い描いた人生の最期を迎えるために、延命処置の意思を書き留めるよう啓発しました。質疑応答では、睡眠時に胸が痛む不安や、夫が30年近く使用続けているステントの安全面など、推進員5人から質問が出ていました。

※2
「フレイルについて山内院長が北白土地区で講話」

※3
「わたしノートの紹介」

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● 市健康推進員のレベルアップへ
いわき市健康推進員は本年度、129人が登録。60~70歳代が主で、1人をのぞいて全員女性です。いわき市保健所に事務局を置く「いわき市健康推進員協議会」が1997(平成九)年に組織され、いわき市健康推進員としてがん検診といった受診啓発などの市事業協力や、減塩を呼び掛けるリーフレット配布などの活動を実践し、市民の健康増進に尽力しています。研修会は「推進員」のレベルアップを目的に、毎年5回開催されています。今回の研修会は4回目で12月12日に開かれました。

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