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投稿:2025年07月26日

地域医療・福祉と多職種連携

1337. 訪問の作業療法士 「多職種連携」テーマに発表・平在宅療養多職種連携の会

いわき市平地区の医療・介護・福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほどオンライン上で開かれました。訪問看護ステーションの作業療法士が「多職種連携」をテーマに発表しました。リハビリ職が協働する大切さ、対象者の就労支援なども話題に出て考えました。

● 高齢者医療の実情
この日は医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護職員、リハビリ職など約35人が参加。発表した作業療法士は「多職種連携〜地域での作業療法士の関わりと連携の実際」と題して講話しました。作業療法士の説明では、身体・精神障がいの方に応用的動作能力、社会的適応能力の訓練も行うといった役割を紹介し、理学療法士との違いも解説。医療、保健・福祉、教育、企業の各現場で「協働」する作業療法士の役割も紹介しました。

● 訪問リハと訪問看護の違い
訪問リハビリステーションと訪問看護ステーションとの違いも説明。前者の「訪問リハ」は病院や介護老人保健施設など専任の医師が必要になる一方、後者の「訪問看護」は法人格を持ち、かかりつけ医と関わりリハビリ職は看護師について訪問すると紹介しました。入院中と地域でのリハビリの比較では、入院中は「退院」を大目標にほぼ毎日模擬的な動作練習をする一方、地域リハでは対象者それぞれ異なる大目標に週1〜3回実践形式の動作練習をする違いの説明もありました。

● リハビリ職の協働の大切さ
「訪問でのリハビリは分業仕切れない」という課題も上げました。病院によっては作業療法士は上肢、理学療法士は下肢、言語聴覚士は言語・えん下と分業されていますが、在宅では複合した問題点を抱えるといいます。例として食事はえん下機能だけでなく目と手の協調性、体幹の安定などが関わり、訪問リハは他の療法士との連携の必要性も指摘しました。リハビリする飲食店の料理人がチャーシューを切る様子の動画も見ながら、連携支援する必要性を確認しました。

事例報告では認知症の90代女性を取り上げました。他事業所の訪問看護師から情報を受け、関節可動域訓練を動画で、ポジショニングでは書面でそれぞれ共有して連携して支援している事例を紹介。褥瘡予防の福祉用具の選定時に専門職間の意見が異なり、連携が課題となる事例も紹介していました。「事業所間で上手に連携ができるとより良い方法が発見でき、効果的な支援ができる」と気づきを伝えました。

● 就労支援の話題
質疑応答では、理学療法士が就労支援の質問をしました。入院する際に退職した患者、職場復帰できるか不安の患者らと関わり、会社の理解の大切さを共有。発表者も経験談を交えて、患者と会社の関係性の良さの大事さを語りました。ブレイクアウトルーム後、同連携の会の山内俊明会長(山内クリニック院長)が、夏の暑さに気をつけてまた次回元気に集まりましょうと呼び掛けて締めました。

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