いわき市こどもみらい課は、子ども生活の実態調査と育児支援者の掘り起こしに取り組んでいます。市内各地区の親子にアンケートして貧困や居場所といった課題を探るとともに、それを解決するための住民支援が十分整っているかを調べ、いわきの子育て環境を整える検討材料にします。今秋には調査結果がまとまる見通し。子育て支援する住民やボランティア団体(インフォーマルサービス)を、悩んでいる親につなげるための情報に生かすのも期待されます。
いわき市役所本庁内のプレイルームと相談室
● 「いわきネウボラ」の一環
この2つの調査は、出産・育児の包括的な支援体制「いわきネウボラ」(※1)を深化させるのが目的。市内の小中学生を取り巻く課題を把握しつつ、その解決に取り組む支援者を集約してマッチングさせます。課題があるのに支援団体が不十分な地区には新たな仕組みを創出するかなど、調査結果は市の子育て環境づくりの検討材料になります。
※1
「いわきネウボラとは(いわき市ホームページ)」：妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行うための仕組み。相談・支援体制の整備や支援プランの作成などを行う。地区保健福祉センターをワンストップ拠点として、出産・子育ての総合支援窓口を設置しています。詳しくは、http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1495755528038/files/iwaki20170602.pdf
● 小中学生の親子にアンケート
課題把握のアンケートは今月1日からスタート。市内各地区の小学5年生と中学2年生のそれぞれの親子計約3000世帯を対象に調査票を配布しています。子どもには起床・就寝時間、朝食・夕食の状況、放課後の過ごし方、悩みなどを、保護者には世帯、家計、子どもとの関わり、育児の悩みなどを、それぞれ25問程度で聞き取り。地区ごとの育児や生活課題を浮き彫りにしていきます。今月末までに回収し、秋までに結果をまとめます。
平地区保健福祉センター内の子育て相談窓口
● 子育て支援団体・個人を掘り起し
市内で活躍する子育て支援者の掘り起こし調査も進んでいます。市内7地区の保健福祉センターで悩みに応える相談員「子育てコンシェルジュ」(※2)や、幼児・保育施設に通う保護者に聞き取っているほか、市こどもみらい課が運用する育児支援アプリ「おやCoCo(ココ)アプリ」(※3)やフェイスブックページ(※4)で呼び掛けています。対象は育児系のサークルや、子ども食堂といった子育て支援に取り組む行政区、育児支援する事業所や個人で、営利目的は対象外。同課の渡邉正広事務主任によると、公民館の登録団体なども含めて7月10日現在で100以上の個人・団体の情報が集まり、おやココアプリを通じての情報提供も数件届いているといいます。収集された支援者の情報は「子育て」「教育」「遊び」「相談」「交流」「虐待」「妊産婦」に分類し、子育てコンシェルジュが相談を受けた際に悩みに応じて近くの支援者を紹介する情報にも利用されます。
※2
「子育てコンシェルジュの紹介ページ(いわき市ＨＰ)」：http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1450341494801/index.html
※3
「おやココアプリの紹介ページ。ダウンロードもここから(いわき市ＨＰ)」：http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1533602285563/index.html
「おやココアプリの紹介記事」 2018年9月4日投稿：https://iwakikai.jp/blog/718/
※4
「おやココのフェイスブックページ」：https://www.facebook.com/iwakineuvola/
● 不十分なサービス探って改善へ
2つの調査結果について、渡邊事務主任は「各地区の子育て課題に対して市の支援が十分か、既存の支援者で支えられるかを検討し、それでも足りないなら支援資源を創出することも考えられる。足りないサービスを探して解決につなげていきたい」と、「いわきネウボラ」の発展に生かしていく考えです。
【関連情報】
「いわき市こどもみらい課が運営する子育て支援サイト」：http://www.iwaki-kodomokosodate.com/
【子育て関連記事】
「住民たちが育児環境の課題や支援を話し合った『子育てワークショップ 内郷・好間・三和編』」 2019年3月25日投稿：https://iwakikai.jp/blog/308/
