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2019年08月23日

地域講演 子育て

648. 里親になれるかな?・入門講座

里親入門講座がこのほど、いわき市の県浜児童相談所で開かれました。同相談所の佐藤早苗所長が「あなたにもできる社会貢献」と題し、里親の基本的な知識や登録の流れなどを講話。里子2人を育てている夫婦による喜びや苦労の体験談もあり、受講者29人は里親になる不安や悩みを質問して真剣に考えていました。

 

里親の基本的な知識や登録の流れなどを講話する県浜児童相談所の佐藤所長

 

● 「社会的養育」とは

佐藤所長は、様々な事情で養育を受けられなくなった子どもたち(要保護児童)を、公的な責任で保護することを「社会的養育」といい、児童福祉施設での「施設養育」と里親による「家庭養育」の2本柱で成り立っていると説明。戦後に戦災孤児や絶対的貧困対策として始まった「社会的養育」は、昭和30年代前半をピークに要保護児童が減少し「施設養育」中心になりましたが、1998(平成十)年前後から虐待案件が増加して「家庭養育」が再び注目されるようになった、と里親制度の時代背景を紹介しました。要保護児童は2017(同二十九)年、全国に4万4354人おり、そのうち児童養護施設で2万5282人、里親家庭で5424人が生活しています。福島県では現在、450人前後が社会的養育を受けていると説明しました。浜児童相談所の登録里親世帯数は61(福島県全体は190)で、委託を受けている里親の割合は44%(福島県全体は34%)。

 

● 充実した里親支援

法改正により、全児童が適切に養育される権利をうたった「児童福祉法」の理念の解説も。虐待を受けた子どもへの支援が求められ、大規模な施設養育中心の施策が国際的に批判を受けるといった背景から法改正につながり、家庭養育を優先するようになっている現在の動きを説きました。養育里親登録の流れでは、近くの児童相談所に希望を伝えてガイダンス、家庭訪問、面接、2日間の登録前研修を受け、県社会福祉審議会の審査が通れば里親名簿に登録されます。委託の流れは、児童相談所が要保護児童の年齢や性別、特徴などを里親登録者に伝えて委託を打診し、面会などをしてマッチングさせます。成立したら受託支度費で必要物品を買い揃えて受け入れ。児童相談所の職員が様子を見に訪問するなどのサポートもあると説明しました。養育に必要な経費や里親手当の支給、休息などで一時的に里子を預けられるレスパイトケア、行政の子育て支援、里親会などのサポートも紹介。佐藤所長は「いろいろな形の養育サポートがあるので、声を上げてほしい」と協力を呼び掛けました。

 

 

● 里親になり「家族に助け合う心が芽生えた」

実子4人と里子2人を育てている自営業の40代夫婦が体験談を披露。里親になろうとしたきっかけは、虐待のニュースを見た長男の「うちに来れば死ななかったのに」という一言だったという。それで偶然に里親入門講座を見つけ、受講した妻は「やってみたい」と即決。「ワイワイと楽しそうだな」と思う一方、共稼ぎの賃貸生活のため「不安もあった」という。それでも受け入れが決まったら、子どもたちは自発的に哺乳瓶などを準備して、毎日「今日くるの?」と尋ねて楽しみにしていたといいます。当初親族からは反対されたものの、里子を見せたら「かわいい」と喜んでもらえた話も。里親になって良かった事は「家族に助け合う心が芽生え、近所も協力的になって交流が生まれた」と、苦労した事は「母を里子にとられたと実子が勘違いした」と述べました。

 

● 子育て経験なし、高年齢… 里親になれる?

会場からは「子育て経験がなく、共働きで休みも少ないけど大丈夫か?」といった不安の声が挙がり、里親夫婦は里親会に同じ境遇の人がいると、浜児童相談所の職員は「保育所や地域資源を利用しながら育てられる」「(里親の)ライフスタイルに合った子とマッチングさせる」と、それぞれ背中を押しました。「50代だが受け入れるには高年齢か?」という不安には、里親夫婦は「子育て経験のない人が定年退職後に受け入れた里親もいる」と回答。会場からは「愛と情熱があれば育てられると思った」という意見も出ていました。入門講座は里親制度の普及を目的に、県浜児童相談所が8月5日に主催。

 

【関連情報】

「里親制度について(厚生労働省ホームページ)」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/syakaiteki_yougo/02.html

「浜児童相談所の場所(福島県ホームページ)」:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21035a/soudan-hama.html

 

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「里親の講話があった『いわき・ふれあい・ふくし塾』」 2018年12月26日投稿:https://iwakikai.jp/blog/374/