↑現場研修を前に、事前研修で介助訓練する新人=2017年4月4日
▼未知の世界に飛び込む時は、不安や緊張が付きまといます。新卒者の中には、現場研修に出る前に熱を出して出遅れた人も。入職式から20日ほどが経ったころ、「まごころ」デイサービスにフラワーアレンジメントの取材に行った際、その彼はご利用者様の隣に座って会話をしていました。「もう慣れた?」と聞くと「慣れました」と即答。高校卒業したばかりで初めて介護職に携わる新社会人が、こんなにすぐ慣れるのだろうか。「本当に慣れたの?すごいぞ」と言うと、彼は口元だけ笑った表情。それが頑張る“大人の対応”の笑顔にも見えました。まだ遠い目標なんて目指す余裕もないだろうけど、一歩一歩!
▼始まりの季節の一方、終わりを考える場面も。小規模多機能型「すばる」で静養する木幡サト子さん(104)の終末期での想いに触れるため、長男(84)に取材しました。質問の内容は、要するに「母親の理想の死に方」という不謹慎なもの。母親の人生を振り返ってもらった後、その質問を遠回しに投げ掛けました。「母親は自宅で人生を終えたいと思っているはず。だから最期の一週間は自宅でと思っていた。でも、今自分が家で介護できるかどうか…」と、複雑な心境を吐露。これ以上の質問は辛い気持ちにさせてしまいかねないと語気から読み取れ、取材を終えました。愛する家族の死なんて想像したくはないが、超高齢化社会を迎える現代、尊厳死を考え「自分の理想の死」を意思表示する大切さは増しているはずです。
▼将来の目標や理想の終わりを語ることは、なんて勇気のいることか。聞いてばかりで自分も発表しなければ不公平。ごほん(咳する音)。医療、福祉サービスだけではお年寄りを支え切れず、住民同士お互い支え合うことが大切な時代が訪れています。私の目標は「支え合う地域づくりを進めるいわきの取り組みを全国に発信する。全国から『いわきは進んでいる』と注目され、市内外の方に一人でも何か刺激を与える。市民がお互い情報を共有し合え、つながりを生む環境を情報発信面でつくり貢献する」。医和生会の取り組みは、日本の中のいわき市の中の医療法人の中の一つ。いわきの医療、福祉、介護の事業所や市民がもっと距離を縮めて連携を強められれば、支え合える地域に近づくはず。言うは易し行うは難しですが、そんな目標を口にさせる4月でした。(医和生会企画課・西山将弘)
<2017年4月の記事ランキング(3月27日~4月21日のフェイスブックのリーチ数)>
一位 「増やすぞ「つどいの場」・いわき市が「全国初」の新事業」4月18日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2056/
二位 「お陰さまで開業24年・山内クリニック」4月12日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2046/
三位 「医療と福祉連携し『デスカンファ』挑戦へ・平地区『地域連携の会』」4月21日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2069/
四位 「認知症カフェ、やっています!・ボランティア『高齢者を支援する若者の会』」4月6日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2038/
五位 「介護予防へ 住民に講話・山内クリニック院長」 4月19日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2064/
番外(取材雑記で触れたもののランク外だった記事)
「終末期『私の想い』㊤~104歳・木幡さん」3月31日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2059/
「決意新たに・医和生会の入職式」4月1日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2032/
「初心、忘れない・新人が目標発表」4月5日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2036/