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2019年09月12日

地域講演 終末期・終活

664. 在宅療養の体験談や印象的な看取りエピソード・四倉で学ぶ会

在宅ケアの普及啓発をしている「北海道ホームヘルスケア研究会(3HR)」がこのほど、いわき市の四倉公民館で、在宅療養・介護について学ぶ会「わが家の音がきこえる」を開きました。3HRのスーディ神﨑和代代表(医療創生大教授・札幌市立大名誉教授)が「在宅療養をとりまく背景と現状」と題し講話。医師、訪問看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)の3人が各専門職の立場から現場での体験を語り、忘れられない看取りエピソードなども披露しました。

 

在宅療養の取り巻く現状を語る3HRのスーディ代表

 

● 北海道ホームヘルスケア研究会が主催

3HR(※1)は2012(平成二十四)年7月、北海道民を支える在宅ケア体制をつくろうと札幌市に誕生。当初はスーディ代表を含めて札幌市立、北海道医療、北海道文教の3大学に所属する4人で活動を開始しましたが、今では、会員数を徐々に増やしながら活動しています。在宅療養・看取りの国際・国内比較研究結果などを踏まえ、北海道内で市民講座を開催して在宅療養の啓発活動をするとともに、アンケートを取って住民の理解度も調査。今夏から道外での活動も始め、青森県深浦町に次いで道外2回目となるいわき市での講座は8月31日に開かれました。

 

※1 北海道ホームヘルスケア研究会ホームページ:http://home3hr.com/

 

 

● 4つの助け合いの形

講話でスーディ代表は、北海道で在宅看取りが少ない理由について①住民への情報発信不足②在宅療養に関する患者の意思表示が不明確③国の体制、を列挙。専門職の立場でできる①と②に関して改善に努めようと3HRが誕生した経緯を説明しました。住み慣れた地域で暮らし続けるための住民同士の支援体制「地域包括ケア」の話題では、その推進に関わる4つの助け合いの形を紹介。自力で健康や介護予防に取り組む「自助」、住民同士で支え合う「互助」、介護保険といった制度の「共助」、それらで対応できない問題に対応する公的サービスの「公助」を説明しました。

 

在宅医療の現場を語る、奥右から3HRの川添さん、竹生さん、いわき市医師会の木村会長

 

● 在宅医療 現場の声

在宅医療の現場を伝える情報交換では、スーディ代表がコーディネーターを務め、いわき市医師会の木村守和会長、3HRに所属する訪問看護師の川添恵理子さん、ケアマネジャーの竹生礼子さんが登壇。在宅現場で活躍する各専門職の役割を紹介し、がんでも一人暮らしでも在宅療養が可能だと考えを共有しました。「いわきで在宅療養の希望はかなうか」の問いに木村会長は「いわき在宅医療ネットワーク」(※2)を組織して医師同士が連携して患者の在宅医療を支えていると答えました。

 

※2. 「いわき在宅医療ネットワーク」とは

2018年3月27日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1111/

 

● 望み通りの終末期 自宅で母・妻の役割まっとう

印象に残っているケアの体験談で、川添さんは一人暮らしの40代末期がん患者の例を披露。部屋の棚に「上を向いて歩こう」のレコードがあり、人生の最期を一人で聴いて過ごしていたのではないかと患者に思いを巡らせます。竹生さんは夫と小学生の子どもと暮らす40代末期がん患者を振り返り。「いってらっしゃい」「ありがとう」を言う生活に幸せを感じ、亡くなる日の朝もいつも通り2人を見送って母・妻の役割をまっとうした生き方を紹介しました。木村会長は末期がんの70代患者を家族で看取った例を紹介。看取りを通して離れて生活する家族が一堂に会せて家族の絆が再確認できたと感謝されたエピソードを語りました。最後、スーディ代表は事前指示書(※3)について解説し、医療従事者は周囲に勧める前に自分で書いてみることを呼び掛けました。

 

※3. 事前指示書とは、将来判断能力を失った時に、自分に施される医療行為に対する意向を事前に意思表示するための文書で、詳しくは「医療事前指示書:スーディ 神崎和代編著 ナカニシヤ出版、2016」

 

【関連記事】

<いわき市医師会の在宅医療出前講座「いきいきと暮らしていくために」>

2018年11月21日投稿:https://iwakikai.jp/blog/532/

2017年11月4日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1210/