発達障がい児を育てている家族らがこのほど、いわき市児童発達支援センター「わくわくキッズ」で、「不器用さと上手に付き合う方法」を学びました。講師を務めた同施設管理者・新妻陽子さんは子どもの不器用さを治すのではなく受け入れる大切さに触れ、「できない事があってもいい」と呼び掛けました。
↑講師を務めた「わくわくキッズ」管理者・新妻陽子さん
●「できない事があってもいい」
主催は発達障がいのある子どもの成長を支援する「スワンキッズくらぶ」。9月10日に開かれた勉強会には約15人が参加しました。
↑「スワンキッズくらぶ」代表を務める宗像広美さん
新妻さんは「発達」を「生理的機能や運動機能、知能・言語・情緒、社会性などの機能が成熟していくこと」と定義。「発達障がい」を「何らかのつまずきで発達に遅れや偏りが生じること」と説明し、「発達の凸凹」と表現しました。年相応の能力が低い(不器用さ)例で「折り紙や絵が苦手」「人づきあいが苦手」「空気が読めない」などを列挙。「親は『みんなできるのに、うちの子はできない』と思い、不器用を治そうとする」と話し「親がさせたい事と子どもがしたい事が違うと子どもを苦しめる」と警告しました。右利きや左利きがいるように発達上の凸凹は治らない生まれ持った特性で「できない事があってもいい」と強調。その代わりにできる事を探し「本人の自己肯定感を大事にして」とアドバイス。「子どもたちは自分が納得できるように教えてもらえれば、できる事も増える。可能性をつぶさないで」とも。テストも運動も完璧が求められ、満点からの減点評価が根付いているという日本の教育に触れ「『こうあるべき』という考え方で子どもたちと自分自身を追い詰めないで」と励ましました。
●参加者からの相談も
参加者からは「子どもがパニック、かんしゃくを起こしたときのふさわしい対応は?」という質問があり、新妻さんは「起きてしまったら見守るしかない」と答え、だからこそ事前に予告と約束をするのが大事とアドバイス。たとえばスーパーで騒いでしまう子どもに「今日スーパーに行ったら、(写真や絵で見せて)このお菓子を1つだけ買おうね。これを買ったら帰ろうね」と約束する。パニックを起こしたらどうするかではなく、起こさないように対策する大切さを強調しました。
【関連情報】
①スワンキッズくらぶでは、勉強会、2ヶ月に1回の「スワンママカフェ」、親子で楽しめるイベントなども実施しています。
発達障がいを考える家族の会「スワンキッズくらぶ」ホームページ:https://swankidsclub.com/
②スワンキッズくらぶの紹介記事(2017年8月3日投稿):https://iwakikai.jp/blog/1650/
③「『施設に魂を込める』いわき市2カ所目の児童発達支援センター誕生・『わくわくキッズ』の内覧会(2018年5月15日投稿):
https://iwakikai.jp/blog/1040/
【山内クリニックからのお知らせ】
発達障がいのある子どもの予防接種も受け入れています:https://iwakikai.jp/service/yamauchi/
「発達障がい児も安心して予防接種できる診療所になります!・山内クリニック」2018年6月5日投稿:https://iwakikai.jp/blog/956/