いわき市の「住民支え合い活動」(※)を広げるために住民代表者らが話し合う「第2層協議体」の第6回会議が2月28日まで、市内各13地区(圏域)で開かれました。平地区の会議では、「住民支え合い活動」に取り組む22地区の状況報告の話題で、介護者不在になった障がい者を住民サポーターが支えた事例などが共有されました。平地区の「住民支え合い活動」は今後、市社会福祉協議会が運営主体を担うに当たり、構成員が「住民支え合い生活支援サービス」の実施要項案を協議しました。
※ 行政区レベルの第3層 圏域レベルの第2層
「住民支え合い活動」は、お年寄りや子育て世代、障がい者らの困り事を住民で支える地域をつくろうと2015(平成二十七)年度から、市社協が市から委託を受けて始まりました。スタート時は15行政区(第3層)がモデル地区に指定され、「住民サポーター」を募って、買い物、電球交換、掃除、窓ふき、話し相手、障子の張り替えなどの生活の困り事に応えています。2019年2月現在、22行政区で「支え合い活動」が展開されています。この第3層レベルでの活動をさらに広げようと、2017(同二十九)年度に圏域レベルで議論する「第2層協議体」を各13圏域に設置。行政嘱託員(区長)、民生児童委員、介護施設職員、老人会会員らが構成員となり、圏域内の困り事と社会資源を洗い出して議論してきました。「支え合い活動」は昨年度からは市社協が独自事業として継続し、「第2層協議体」は市から受託した市社協が開催しています。
【「住民支え合い活動」に取り組んでいるいわき市の22行政区(いわき市社会福祉協議会実施・2019年2月末現在)】
平地区:城山、鎌田
小名浜地区:玉川町西区、永崎地区、玉露1・2区
勿来地区:南台1・2区
田人地区:入旅人大字区
常磐地区:下船尾
遠野地区:上根本、東山行政区、入定、下滝行政区、関屋・落合
内郷地区:高坂9区
好間地区:田代・沼平
三和地区:上市萱
四倉地区:新町、梅ヶ丘南
久之浜地区:西町1区
小川地区:塩田、山ノ入・淵沢
川前地区:山下谷区
● 住民サポーター、介護者不在の障がい者を支援
平地区の会議は2月26日にいわき市社会福祉センターで開催。前回の会議を受け、事務局から市の広報誌「広報いわき」の3月号に「住民支え合い活動」が掲載されると報告されました。さらに「住民支え合い活動」に取り組んでいる22行政区の活動状況を共有。対象者数、登録サポーター数、活動内容などが確認されました。声掛けとごみ出しの両数が昨年度と比べて大きく増加した「鎌田」地区では、母親が入院して一人になった障がい者を住民サポーターがごみ出しの手伝いをして支え、サポーター数が29人と顕著に多い「入旅人大字区」は役員ら関係者が積極的に呼び掛けて増やしていると、構成員からの質問で引き出されました。
● 高校生も「支え合い活動」に協力
前回の会議で平地区は市社会福祉協議会が主体運営するのが決まったのを受け、実施要項と周知チラシの案を協議。構成員からは、「個人情報の保護」の明記や、「コーディネーターによる活動報告」に関し他地区の参考とするため「地域の考察」を記述してほしい、との要望も出ました。その他、城山地区で「住民支え合い活動」をする構成員は、地区内の磐城桜が丘高校の生徒も協力してくれると紹介。「高齢者宅の窓ふきは、サンの中まできれいに拭いてくれる。交流サロンでは放送部が朗読をしてくれた」と感謝し、ほかの構成員は「子どもたちにとって将来役立つ経験ができただろう」という意見が出ました。
【関連情報】
「各地区の第2層協議体第6回会議のまとめ資料を見れるいわき市社協のホームページ」:http://www.iwaki-shakyo.com/2019/02/05/2088.html
【関連記事】
<住民支え合い活動>
「支え合い活動がどんなものかが分かる『内郷・高坂9区』の取り組み」 2018年3月24日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1117/
「活動する支え合いサポーターが集まって情報交換した研修会」 2018年3月29日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1106/
<第2層協議体の会議>
「地区での困り事を議論した小名浜地区での第3回会議」 2018年3月9日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1140/
「運営主体を検討した平地区での第4回会議」 2018年7月7日投稿:https://iwakikai.jp/blog/837/
「平地区での第5回会議」 2018年11月14日投稿:https://iwakikai.jp/blog/543/