子育て中の親の交流イベント「子育てしゃべり場」がこのほど、いわき市常磐地区の古滝屋で開かれました。参加した保護者は「いわきの子育て課題」を出し合い、育児分野の市職員に情報不足、支援者、遊び場などに関する困り事を直接訴え。薬剤師、子育て団体代表、市職員の3人による講演に耳を傾け、地元の飲食ブースやワークショップでにぎわいました。
● 約170人が来場
託児所を運営する常磐地区の「株式会社キャンディきっず」が「地域のお父さん、お母さんの情報交換の場をつくろう」と1月11日に主催。去年3月に内郷・好間・三和地区で「子育てワークショップ」(※1)を開催したいわき市こどもみらい課と共催し、市職員も「しゃべり場」に交じり保護者から直接要望を聞き取りました。講演は薬剤師の小野寺大樹さん(ネットワーク調剤代表取締役)(※2)、子育て支援する社団法人Wendy(※3)の三浦綾代表、市こども支援課指導保育技師の西野あやさんの3人が登壇。地元のカフェやカレー、パン、ハーブティーの飲食・物販関連が6ブース、アロマ、遠野和紙、子育て団体などワークショップが9ブース並び、来場者約170人がにぎわいました。
※1 「内郷・好間・三和地区の子育てワークショップ」 2019年3月25日投稿:https://iwakikai.jp/blog/308/
※2 「アロマテラピーインストラクターの薬剤師・小野寺さん」 2019年7月8日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1404/
※3 「子育て支援団体のWendy」 2017年8月10日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2306/
● 講師3人が子育て講話
第一部の講演で小野寺さんは「こどもとかぜとくすり」と題し、かぜ治療の基本は安静、栄養・水分補給で、抗生剤や小児の細菌感染についても分かりやすく解説。健康のために赤、白、緑、黄色など様々な色の野菜を食べてほしいとアドバイスしました。三浦さんは「お母さんの居場所作り」をテーマに講演し、育児で孤独を感じたのを機に「自分で居場所をつくろう」と取り組んできた自身の経験を共有。「こんな居場所があったらいいな」と思ったら相談してほしいと呼び掛けました。西野さんは「子育てと保育」について語り、育児の心構えをアドバイス。「一人で頑張らない」「安心できる人に頼む」といった保育的子育て、ほめるタイミング、怒り方なども助言しました。
● 情報、小児科不足、遊び場所… 課題を共有
「いわき市の子育てに関する課題」を出し合う「子育てしゃべり場」は、母親、父親に加え市職員、地区保健福祉センターで相談窓口を担うスタッフ「子育てコンシェルジュ」ら合わせて約20人が参加。3グループに分かれ、思い思いにアイデアを模造紙に挙げていきました。子育て情報、小児科不足、遊び場所など日ごろの悩みを打ち明け合い、市職員から行政サービスや現状を聞きました。ある母親は待機児童問題の不安を共有し、住まい地区の子育てコンシェルジュを紹介されて解決の糸口を見つけました。「市に直接思いを届けられる場がもっとほしい」と、今回のような話し合いを喜ぶ声もありました。
● 「歩いて行ける場所に遊び場ほしい」
出た意見では「情報」や「遊び場」「医療・保育環境」が多く聞かれました。「情報」では「子育てだけでなく、パン屋やリラックスの場所、遊び場の情報もほしい」「(育児情報が閲覧できる)アプリがあるのを知らなかった(※4)」など。「遊び場」では「いわきはどこに行くにも車が必要。歩いて行ける場所に遊び場がほしい」「大声で絵本を読んだり、走り回れる図書館がほしい」「各地区の遊び場に子育てコンシェルジュを配置できないか」など。医療・保育環境では「小児科・産科が少ない」「0歳児保育の受け入れを増やして」「平日は仕事があるので、土日祝日でも育児相談できる窓口がほしい」「産休・育休しても復職しやすい社会になってほしい」といった意見が出ていました。
※4 「いわきの子育て支援アプリ『おやココアプリ』」 2018年9月4日投稿:https://iwakikai.jp/blog/718/
↓「しゃべり場」で出た意見
※現場で来場者に写真の許可を取っていなかったため、スタッフら関係者以外の顔はモザイク加工しております。
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